Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

METライブビューイングは新作「エウリディーチェ」

オペラを映画館で楽しむMETライブビューイング。今日から始まったマシュー・オーコイン作曲、サラ・ルール台本の新作「エウリディーチェ」。マシュー・オーコインは32歳。オペラ界で大活躍の作曲家です。皆様ご存じの「オルフェウス」のギリシャ神話が題材ですが、超刺激的。音楽も舞台も歌手も、すべてに目が離せません。

⒞Marty Sohl/Metropolitan Opera

幕開けは、ファンタジックな浜辺。音楽家オルフェウスと、エウリディーチェは恋人同士。背中に金色の羽根を付けたオルフェウスの分身も登場します。

婚礼の日に寄せて、父親は冥界(死の世界)から「愛が人生において究極の歓びだから」と娘に伝えたいと願います。そこに冥界の王ハデスが登場。ハデスを演じるバーリー・バンクスの邪悪ぶりが半端ではありません。エウリディーチェを惑わし、疑念を抱かせ、そして死の世界へと連れ去ります。

⒞Marty Sohl/Metropolitan Opera

海、川、涙、雨、シャワー・・水が忘却のキーポイントになっています。忘れてしまうことがいかに悲しいことか。冥界に行ったエウリディーチェは、父の愛の中で暮らします。そこに夫が迎えにくるのですが・・・。

指揮は、ヤニック・ネゼ=セガン。演出はメアリー・ジマーマン。照明を効果的に使います。台本は、オペラは初めてという著名な劇作家サラ・ルール。エウリディーチェ役はエリン・モーリー。『ホフマン物語』のオランピア、『ばらの騎士』のゾフィー、『カルメル会修道女の対話』のコンスタンス役で出演しています。清らかで透明感があり、高音域も余裕でこなします。

オルフェウス役をジョシュア・ホプキンス、オルフェオの分身はブレイクダンスが得意なカウンタテナー、ヤクブ・ヨゼフ・オルリンスキ。父親はMETデビューのネイサン・バーグ

20世紀の音楽の断片も散りばめられ、独創的でチャレンジングな傑作が誕生しました。ユーモラスだけどミステリアスで、先が読めない展開にぐいぐいと引き込まれ、最後まで息がつけません。

METライブビューイング「エウリディーチェ」

2022年2月18日(金)~2月24日(木)(東劇のみ3月3日(木)まで)HPはコチラ

*2022年2月18日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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