Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

「オペラ」を楽しむ一日を、さらに充実したものにする「日本酒」イベント

新国立劇場12月オペラ公演は、ヨハン・シュトラウスⅡ世の『こうもり』です。オペレッタ『こうもり』にシャンパンは欠かせません。舞台であれだけ楽しそうに飲んでいるのですから、鑑賞者も一緒に日本酒を楽しもうという企画が開催されました。

 

まずは開演1時間前に集合。「日本のSAKEに乾杯!」と題して、スパークリング日本酒「AWA SAKE」4種類の飲み比べをおこないます。日本の米と米麹、名水で醸した発泡性の日本酒は、まだ日本人にもそれほど馴染みはありません。awa酒協会認定のスパークリング日本酒は、どれも瓶内二次発酵で、濁っておらず、シャンパンと同じ強いガス気圧で、グラスに注いだ時に一筋の泡が立ち上がるという基準が設けられています。

約30酒蔵が加盟する一般社団法人awa酒協会の八戸酒造・駒井専務は「泡酒(スパークリング日本酒)を、世界の乾杯酒にしたい。また日本酒の価値創造をしたい」と語り、日本最大級の日本酒レビューランキングサイト「SAKE TIME」のマーク・フィリップ社長には海外事情を伺いました。  

一杯目は、永井酒造「水芭蕉 MIZUBASHO PURE」。こちらAWA SAKEの先駆けで、華やかなふわっとした香りとキメの細かい泡、優しい米の旨味が特徴です。フランスの「Kura Master2020」でスパークリングサケ部門「最高賞審査員賞」を受賞しました。

続いて山梨銘醸「七賢 スパークリング 星ノ輝(ほしのかがやき)」。七賢のスパークリングは3種類ありますが、その中から星ノ輝が登場。すっきり辛口のクリアタイプで、芳醇な香りがします。七賢フラッグシップモデルで、数々の賞を受賞しています。私は七賢をよく飲むので、なじみのあるお味です。

一杯ずつ提供してくれますので、飲み干してしまわないように注意しなければなりません。残しておかないと、それぞれ飲み比べできませんものね。

そして三杯目は、南部美人「南部美人 あわさけ スパークリング」。ガツンとした泡感の強いお酒で、立ち上る泡の強さが魅力です。

最後が、八戸酒造「陸奥八仙 8000 DRY SPARKLING」。辛口でドライなので、どんなお料理にも合いそうです。一貫して手作業で行っています。

和と洋をミックスした4種類のアペタイザーも美しく、美味しかった。

泡の日本酒は初めてという40代の男性、泡の日本酒を飲んでから日本酒の魅力にとりつかれたという若い女性、カップルでおみえの方もいらっしゃいました。どの参加者からも「楽しいことをさらに楽しくしたい」という前向きなエネルギーが感じられました。これから『こうもり』の1幕目を観劇しますので、酔い過ぎは禁物です。

幕間の休憩時間は、「日本酒カクテル体験」です。

まず「サムライロック」はライム果汁をブレンドしています。「和ヒート」は、大葉とレモンの香りで炭酸水で割っています。私は最後の「わすれゆき」が好きでした。日本酒にマスカルポーネ(チーズ)を溶け込ませ、金粉がふられています。

30分の間に、3種類の日本酒カクテルを頂きましたが、ベースになるお酒「亀齢 純米八拾」を試してみたいと、そちらも飲んでみました。これが、かなり好みのお酒。広島県産の酒米を80%まで精米し、手造り麴と熊本酵母でキレの良いふくよかな日本酒に仕上がっていました。この時間には3種類のスイーツを頂きました。

『こうもり』の後半を見てカーテンコールの熱い拍手のあとは、スペシャルバックステージツアーです。通常のバックステージツアーよりもさらに、ディープなところを見せてもらえます。「※泥酔されたお客様には、ご参加をお控えいただきます」という注意書きが理解できる奥深さでした(笑)。すべてが終了するのは18時頃。お土産を頂いてスキップしながら帰りました。

このイベント、英語でも対応しています。『こうもり』S席とイベントのセットチケットも販売していましたがそちらは終了。あとは、公演チケットを持っている方を対象とした日本酒体験イベントのみ(2万6400円税込)のチケットがあります。イベントは全部で3回あり、12月9日、10日、12日ですので、本日12月12日はあと残り1回の最後の開催日です。参加されたい方は、BOXオフィスでご購入ください。

https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_026661.html

*2023年12月11日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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