Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

スティーブ・ジョブズも愛した川瀬巴水

川瀬巴水は、大正から昭和にかけて活躍した新版画の代表的存在です。現在SOMPO美術館で「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」が開催されていて、代表作を含め初期から晩年までの約280点(前期・後期で一部作品を入れ替え)が展示され、見ごたえのある展覧会となっています。

アップルコンピュータの共同創業者スティーブ・ジョブズが最初に巴水の作品に出会ったのは10代の頃。親友のお母様が巴水が好きでお家にかけてあったのに魅了されました。20代後半の頃には、同僚とともに来日。巴水の作品を扱う東京の画廊「兜屋画廊」を訪れました。彼が選んだのは、いわゆる外国人が好む旅の名所ではなく落ち着いた色調の情感漂う作品でした。画廊でジョブズの担当をずっとされていた方は「渋好みの作品を選んでいた。数が少なく値段も高い作品ばかりだった」と思い出を語っています。ここで購入した43点の新版画のうちの半分以上が川瀬巴水の作品です。

今回の展覧会では、彼所蔵の作品の、違うエディションのものが10点展示されていました。

1984年発売の初代Macintoshを発表した時に、最初にモニターに映し出されている画像は、橋口五葉の「髪梳ける女」。橋口は日本画を学んだ後、洋画に転向した画家で、新版画運動に参加した人物です。

巴水の足跡がわかる展覧会となっていますので、ジョブズに興味がある方はもちろん、新版画がお好きな方にとっても多くの作品を見られる貴重な機会となっています。

 

川瀬巴水 旅と郷愁の風景」 SOMPO美術館 2021年10月2日(土)~12月26日(日)日時指定予約制

 HP: https://www.sompo-museum.org/ *動画も公開されています https://youtu.be/gxRBGFBIYK4

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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