Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

METライブビューイング 新シーズンスタートです「ノルマ」

世界屈指のオペラハウス、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の最新公演を映画館で観られるMETライブビューイング。2006年に始まり現在世界71カ国2000以上の映画館で上映されています。

 2017-2018新シーズンが、いよいよ11月18日(土)からスタートしました。こんな楽しみを与えてくれて、METのゲルブ総裁には、感謝の言葉しかありません。

日本に居ながらにして、ニューヨークのMETと同じ感激を味わえるのです。もちろん生を劇場で観るのが一番だとは思うのですが、映画館で世界最高峰のオペラを気軽に観劇ができるんですから、そんな幸せはありません。

 

トップバッターは新演出の「ノルマ」。

(c) Ken Howard

ベッリーニの生みだしたメロディは素晴らしく流麗で美しいけれど、歌手泣かせの難しさだとか。そのためか、人気演目であるにもかかわらず、なかなか上演できないんだそうです。

今回は、ベルカントの2大女王ソンドラ・ラドヴァノフスキーとジョイス・ディドナート、それにジョセフ・カレーヤの実力派キャストが登場です。

 

(C) Ken Howard

 

物語は

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紀元前50年。敵対するローマの将軍ポッリオーネ(ジョセフ・カレーヤ)と巫女ノルマ(ソンドラ・ラドヴァノフスキー)は密かに愛し合い、2人の子供がいる。しかし、ポッリオーネは、ノルマの弟子アダルジーザ(ジョイス・ディドナート)に心を奪われローマに連れ帰ろうとする。三角関係の行く末は・・。

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ポッリオーネ将軍は子供もいるのに、その彼女の目の前で、新しい若い女性を自分のものにしようとするとんでもない男性だけれど、そういった物語はともかく、何が素晴らしいかって、3人のキャストがそれぞれ最高の実力がある上に、相乗効果を生み出し、ドンドン高みに登って行くところ。信じられない世界に連れて行ってくれます。

 

1幕目のノルマのアリア「清らかな女神」は、まるで天上に登るがごとくの美しさです。表現する力量のある歌手が魂をこめて歌えば観客に伝わらないわけはありません。ソンドラ・ラドヴァノフスキーのソプラノはつややかで劇的で、表情豊かです。

ジョセフ・カレーヤのテノールは、明るく輝かしく甘やかでソフト、そして、ジョイス・ディドナートのメゾは、完璧な音程で繊細でしかも強靭です。

(C) Ken Howard

 

演出はデイヴィッド・マクヴィカー。装置や衣装は正統派で、ゴージャスで、ノルマは人間として母親の弱さや辛さなども含めて表現されます。恋する人にもう一度振り返ってほしいと願い、恋敵でもある若い巫女と友情をつなぎ、信じ、感動のラストを迎えます。

 

新シーズン、素晴らしい幕開けです。

これだからMETライブビューイング、やめられません。

 

 

METライブビューイング 「ノルマ」

2017年11月18日(土)~24日(金)

上映館など詳細はコチラ

 

*2017年11月21日現在の情報です。*写真、記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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