Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

バッティストーニさん登場! 「休日の午後のコンサート」 

東京フィルが開催する「休日の午後のコンサート」。

今回は、私がすっかり惚れ込んでいる首席指揮者アンドレア・バッティストーニさんの指揮とお話しです。バッティストーニさんの故郷「ヴェローナより愛をこめて」と題して、ロメオとジュリエットにまつわる音楽の数々。6月4日(日)14時~東京オペラシティコンサートホールで開催されました。

(c)上野隆文

シェイクスピアの戯曲からは映画やテレビドラマ、オペラ、バレエ、管弦楽曲など様々な作品が生み出されていますが、今回はその中からクラシック音楽の代表作と言える名曲が4曲登場しました。

まずは、ベルリオーズの劇的交響曲『ロメオとジュリエット』より“マブの女王のスケルツォ”。マブという妖精の女王は、「昆虫の羽のようなものでできている乗り物に乗って、ハエにひかせてやってくる」というバッティストーニさんの解説を聴いたためか、どんなにおどろおどろしい音楽なのかしらと身構えていましたが、シェイクスピアに似合った軽快な曲調でした。

(c)上野隆文

続いてチャイコフスキーの幻想序曲『ロメオとジュリエット』。物語全体をイメージとしてとらえた音楽で、モンタギュー家とキャピユレット家の争いの場面はシンバルが鳴り響くのですが、その戦いの激しさといったらありません。「シェイクスピアとチャイコフスキーという2人の天才の音楽を楽しめるのは幸せです」とお話しされていましたが、そこにバッティストーニさんの指揮が加わり、観客は3人の天才の恩恵にあずかれるという幸せを享受するわけです。幸せ満載~。

 

演奏の合間に、バッティストーニさんの楽しい解説や、事前に集められた質問への回答がはさまります。「ヴェローナを自慢して」というのに対して「信じられないでしょうけどロバの肉をソースにしたパスタがとっても美味しい」と言って会場の笑いを誘ったり、「オペラに行くなら作品は?」という質問には「観たことも聴いたことがないものがいい。知っているのは色々気になって楽しめない」という回答には納得です。

(c)上野隆文

「音楽イタリア語 ワンポイントレッスン」もありました。「ピアノ」と「フォルテ」というのは音楽用語で「小さな音で」「大きな音で」という意味で使いますが、イタリアでは日常会話でも使うのだとか。特にフォルテというのは、力があるねとかクールだねという意味にも用いるという話を聞いてびっくり!超イケテルみたいな感じかしら。

そして、オリヴィア・ハッセ―がジュリエット役を演じ、世界中を魅了した映画「ロメオとジュリエット」で知られるニーノ・ロータの愛のテーマ。誰もが聴いたことがある曲ではないでしょうか。

最後の曲は、プロコフィエフのバレエ組曲『ロメオとジュリエット』より“モンタギュー家とキュピレット家” “少女ジュリエット”“仮面”“バルコニーシーン”“ティボルトの死”と続きます。先日、私はバレエで『ロメオとジュリエット』を観たばかりなので、舞台をイメージしながら聴くことができました。仮面の場面では、ロメオとジュリエットが初めて出会い恋に落ちる瞬間をロマンテイックに、そしてティボルトの死では、激しい争いが彷彿とさせられます。

(c)上野隆文

「休日の午後のコンサート」は、とても指揮者が身近に感じられる楽しい企画です。1999年から始まり、一流の指揮者が舞台上でおしゃべりをし、親しみやすい名曲を高いクオリティで日曜日の午後に聴くことができる。そんな贅沢を味わいたいという多くの観客でいつもチケットはほぼ完売状態だそうです。

「雲の上の人」と思っている指揮者が、にこにこ笑顔で話しているのをみると、何だか嬉しくなってしまいます。2016年からは、「平日の午後のコンサート」もスタートし、「休日の午後のコンサート」年4回とあわせて、年間8回開催されています。

 

次回、バッティストーニさんの「休日の午後のコンサート」は、9月3日(日)。そこでは、彼が作曲した曲を披露してくれるそうです。今から楽しみ~。

クラシック好きも、クラシックは好きだけどよくわからないという方も、クラシックの世界は敷居が高いと思っている方も、親しめるすてきなイベント。

こんなイベントに誘ってもらえたら嬉しいんだけどな~。

しかも1回だけじゃあくて毎回ネ!

 

*2017年6月8日現在の情報です。

 

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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