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「教えて、ブルーアイランド先生! 新国立劇場で学ぶオペラの歴史」最終回は「黄金の国」

2025年3月23日(日)青島広志先生のレクチャーイベント「教えて、ブルーアイランド先生! 新国立劇場で学ぶオペラの歴史」の第6回目は満を持して青島先生作曲の「黄金の国」です。青島先生は、東京芸術大学の作曲家のご出身で、大学と大学院修士課程を首席で修了されています。これまでに作曲した曲は300を超え、中でも大学院修了作品であるオペラ「黄金の国」は、東京藝術大学図書館によって買い上げられた記念すべきもの。今では、音大生が日本のオペラとして当たり前に授業で習う作品として知られています。

オペラ「黄金の国」は、遠藤周作の小説『沈黙』の前段の物語で、長崎の隠れキリシタンが描かれた戯曲が原作です。青島先生は高校生の時に初めて「黄金の国」の演劇を見て、その時から良いオペラになるのではと思っていたということでした。

写真提供:新国立劇場

島原の乱で天草四郎が亡くなった後、天草ではキリシタンが弾圧され、間もなく「踏み絵」が始まろうという時。百姓で障害のある「のろ作」の「おいはハライソに参れば」のアリアからレクチャーはスタートしました。歌うのは、新国立劇場に勤務する、名古屋音楽大学声楽学科出身の桑原さん。のろ作の邪心のない純真な心がハ長調の曲調から伝わってきます。

写真提供:新国立劇場

かつて踏み絵を踏み、転向したと思わせているキリシタン大名の朝長(ともなが)作右衛門は、「たとえキリストの絵を踏んでも、信仰があればよいのだ」と考えています。朝長は、ポルトガル人のフェレイラ神父を自宅にかくまい、ひそかにミサを行っています。今日は、朝長の娘で敬虔な信者である雪が懺悔をしたいとやってきて、奉行所に勤める源之助という役人を好きだと告白します。

いよいよ、明日踏み絵だということがわかると、百姓の一人嘉助がフェレイラ神父に「どうしたらいいのか」と迫ります。「踏んではならない」という立場を崩さない神父。すると嘉助は奉行所に、フェレイラの居場所を教えに行ってしまいます。

 

写真提供:新国立劇場

奉行所で裁判を行う「お白州の場」で踏み絵が行われ、フェレイラは棄教を選び絵の上に足をかけると、12の声(12使徒)が彼を攻めたてます。雪、源之助たちは次々と火刑になっていきます。最後に、生き残ったのろ作の歌があり、「沈黙」へと話は引き継がれます。

写真提供:新国立劇場

今回はゲスト歌手に、ソプラノ安陪恵美子、メゾ・ソプラノ梁取里(やなとり さと)、バリトン福山出(いずる)を迎えました。多くの曲を聴かせてくれましたが、私は「のろ作」のアリアが、印象に残りました。

最終回は、青島先生の作曲ということもあり特に熱のこもったレクチャーでした。上演にまつわるエピソードや、曲に関する当時の反応、オペラ界の相関図などを交えながらの1時間半。楽しくて深くて、もっともっと、学びたい気持ちになりました

全6回のレクチャーコンサートは超満員の中、終わってしまいましたが、またいずれ!

青島先生、新国立劇場の皆様、ご一緒していただいた聴講生の皆様、ありがとうございました。

*2025年4月3日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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