Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演 オペラ『魔笛』

観客に、そうそうたるお歴々がおみえになっているのは、6年ぶりの公演だからでしょうか。引っ越し公演そのものが人気なんでしょうか。

それともバイエルン国立歌劇場の力でしょうか。

Photo: Kiyonori Hasegawa

 

満席の中、バイエルン国立歌劇場のレパートリーの中でも最も長寿を誇るオペラ『魔笛』が始まりました。

1978年に初演され、40年間、愛され続けてているアウグスト・エヴァーディング演出のプロダクションです。2004年に舞台装置や衣装を大幅に修復して改定し、また今回の日本公演のためにも、劇場に合わせて作り替えて臨んでいます。

舞台の上には、絵本のような風景が広がっています。

天上の満月の中に立つ夜の女王や、大蛇。笛を吹くと集まってくる熊や猿たち。要所要所で重要な役割を果たす3人の少年が愛らしい上に素晴らしい歌唱力を見せてくれます。テルツ少年合唱団のソリストたち、一番小さい子は小学生ではないかしら。

Photo:Kiyonori Hasegawa

 

第2幕には、お待ちかね「夜の女王のアリア」「パ・パ・パ」の歌。

また、タミーノが試練を乗り越えていく時の、スクリーンの使い方が童話のようです。極めつけは、最後の場面に小さなパパゲーノとパパゲーナがたくさん登場するところ。観客は思わず、幸せ感に浸ります。

Photo:Kiyonori Hasegawa

 

セリフ入りのオペラは、わかりやすく、庶民向けに創られたものでした。それに、ザルツブルク生まれのモーツアルトが、母語で演じられる芝居をつくりたいという熱い思いがあって書いた作品ですから、ドイツの歌劇場、面目躍如といったところでしょう。

 

バイエルン国立歌劇場、たくさん公演しているからだと思うのですが、慣れていて抑えながら演じ、歌っているような印象でした。

私は「新鮮」で「一生懸命」が好きなので、間違いのない安心感を求める方に最適な舞台でした。

 

 

観客の皆さん、「素晴らしかった」と口々に言ってましたが、やはり引っ越し公演はいいですね!

今度観られるのは、6年後です。その前に、ドイツに行っちゃいます?

 

『タンホイザー』

2017年9月21日(木)15時、25日(月)15時、28日(木)15時

NHKホール

 

『魔笛』 

2017年9月23日(土・祝)15時、24日(日)15時、27日(水)18時、29日(金)15時

東京文化会館

 

特別演奏会

2017年9月17日(日)15時 

東京文化会館

 

2017年10月1日(日)15時

NHKホール

 

*2017年9月27日現在の情報です。*記事・写真の無断転載を禁じます。

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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