Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

ワーグナーの初期のオペラ「さまよえるオランダ人」が新国立劇場で開幕しました。

いわゆるワーグナーの、ワーグナーたる以前の作品ですが、そこかしこにワーグナーらしさが散見されます。ワグネリアンにとっては、そのフレーズを見つける楽しさもあるでしょう。また、ワーグナー初心者にとっては、3時間弱という上演時間なので、うってつけの作品と言えます。

今回は予定通り開演できるかと思っていましたがやはり難しく、急遽招聘メンバーから日本メンバーにバトンタッチ。日本人歌手たちにとっては、またとない活躍のしどころです。日本の歌手たちの「ワーグナー」の歌唱に期待は高まります。

撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

指揮は、新国立劇場初登場のガエタノ・デスピノーサ。事前に彼の作品解説動画が新国立劇場のHPにアップされていたため、しっかりと予習もできました。

なるほど、救済のハープの音が序曲にも効果的に使われています。そして全体をとおしてデスピノーサのエネルギーが強く感じられる舞台でした。

物語は、愛と自己犠牲による救済がテーマです。海をさまよい続ける呪われたオランダ人船長は、誠の愛によってしか救われることはできません。オランダ人船長の悲しい身の上を知り、ゼンタは自分が誠を尽くそうと考え、そして・・。

オランダ人船長に出会うダーラントは、おなじみの妻屋秀和。オランダ人役は、オランダ最高のワーグナー歌手エギルス・シリンスの予定でしたが、今回抜擢されたのは河野鉄平。そして、ゼンタ役は期待のソプラノ田崎尚美。近年ワーグナー公演で主要な役を次々に歌って評価されています。今回が新国立劇場デビュー。響く強い声で、ゼンタ役を歌い切りました。ゼンタに恋するエリックは城宏憲。新国立劇場オペラ研修所出身で、ファンの方も多いでしょう。

客席はワーグナーファンで一杯。男性の二人連れが楽しそうにしているのは、ワーグナーの演目らしい眺めです。

公演はあと2回です。2022年2月2日(水)14時、2022年2月6日(日)14時

新国立劇場オペラ「さまよえるオランダ人」HPはコチラ

 

*2022年1月31日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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