Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

淡路島の「オーベルジュフレンチの森」

淡路島の「禅坊 靖寧」から歩いて数分の所に位置する「オーベルジュフレンチの森」。「オーベルジュ」とは、言わずと知れた「その土地の食材を使ったこだわりの料理を楽しむ宿泊施設のあるレストラン」のことです。

大自然に囲まれたレストランでは、シェフがその土地の新鮮な食材を使って腕をふるうのがならわし。顧客はそのシェフの味を求めて、レストランにやってきます。

料理の味を堪能し、ペアリングのワインに身をゆだねても、そのまま宿泊できるから安心です。個室に移動したら、窓を開けて澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、満天の星空を見上げて幸せを実感する。そんな瞬間を味わえます。

淡路島「オーベルジュフレンチの森」には3つのレストランがあり、それぞれ淡路島の旬の食材を活かし、異なるテーマのフレンチを提供しています。向かって左の「ラ・ローズ」は、和とフレンチがテーマ。真ん中の「グランド・バオバブ」は、炙りや燻製などの香りを楽しめ、右の「プランス・エトワール」は、伝統的なフレンチを現代風にアレンジしています。

どこも1階がレストランで2階が宿泊施設となっていて、どこで食べても、どこに泊まることも可能です。また、ランチやディナーのレストランのみの利用もできます(事前予約制)。

山の夜は暗く、街燈がほとんどない道に突然登場する3棟を彩ったイルミネーションは美しいと同時に、ほっとさせてくれます。光り輝く敷地に入り、淡路島の和の食材とフレンチを融合させた「ラ・ローズ」に伺ってみました。

こちらの村上遼太郎シェフは、フランスの3つ星レストランや、東京で有名な高級フレンチのスーシェフとして活躍してきた方。縁があって淡路島に来て、とれたての海産物や、新鮮野菜・果物の鮮度と味の良さに驚いたのだとか。食材の味を存分に料理に活かしたいと腕を振るいます。また、料理には美味しいワインが欠かせないと、シェフみずからソムリエの資格を取り、この小さなレストランでソムリエ2人体制となりました。

ワインとのペアリングをお願いして、まずは、暑かったのでスパークリングで「茄子のタルト グジェール」。茄子とアンチョビのピューレがつまったタルトは繊細な味わいです。グジェールは、ブルゴーニュが起源のチーズを混ぜたシュー皮。ほんのりと温かく丁寧な仕事ぶりがうかがえます。

 

 

 

淡路フルーツ ブラータ」。柿とセロリとオレンジの上にブラータがのせられています。まろやかな果物の甘味と、酸味と塩味がバランスよくマッチしています。私、ブラータが大好き。

 

 

淡路野菜」。17種類の淡路島産の野菜に、一つひとつ下ごしらえがしてあるサラダです。さといも、メロン、小玉葱、ごぼう、ねぎ、インゲン、くり、レンコン・・・。色々な食感や香りを楽しみます。野菜の上にのせられた「つる紫」が、見た目が可愛いだけでなく、ねっとりとした食感がたまりません。また、この料理にペアリングされた白ワインも絶妙でした。

 

 

鱸 枝豆 トマト」。グリエされた帆立とすずきの上に枝豆のせられ、軽いソースがかかっています。

 

 

淡路ビーフ 淡路玉葱」。淡路ビーフはあまり有名ではありませんが、一度食べたら病みつきになるはず。淡路で生まれ淡路で育った牛を低温でじっくり炭火でローストしたステーキは、脂の入り方、柔らかさ、食感とも、食材のよさが十二分に引き出された淡路ビーフの炭火のローストは忘れられない美味しさです。かぼちゃのピューレと共に。

 

 

白桃 赤紫蘇」。ひとつめのデザートは白桃のコンポート。赤紫蘇のソルベは珍しい。

 

無花果 ラム酒」。メインのデザートは季節ならではの、とれたて無花果のコンポートと、ラム酒のソルベ。

村上シェフは「淡路島の旬の食材を見てからメニューを考えます。それがとても楽しい」と語ります。そう、良い食材に、良い料理法、さらに見た目が麗しければ、何も言うことはありません。

朝食は、テラスでもいただけるのだとか。朝から新鮮な空気と、野菜、果物で、エネルギーを充電できそう。特別な人と、特別な日に訪れたいオーベルジュでした。

「オーベルジュフレンチの森」兵庫県淡路市楠本字場中 2593 番 8 Tel : 0799-70-9060 HP:https://frenchnomori.jp/

取材協力:㈱パソナグループ*2022年10月25日現在の情報です *写真・記事の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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