Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

コーヒーで世界旅行

コーヒーに2050年問題というのがあるのをご存じでしょうか。地球温暖化の影響で、栽培適地が50%減少すると考えられ、病害虫が増加して収穫量が減り、経済的な理由から生産者が減少して作付量も減る。さらにコーヒーの世界的な需要が増加しているため、今飲んでいる美味しいコーヒーが飲めなくなる可能性があると言われています。

コーヒーを持続可能なものにするためにどうしたらよいか。

味の素AGF株式会社は、世界各地のコーヒー生産者と共に課題解決に取り組み、共に歩んでいこうと「百年続く一杯を目指そう」と考えています。

まずは、4か所。エチオピアでは、手摘みで収穫した豆を数日かけて熟成させ、付加価値の高いコーヒーにすることで品質の向上と現地の生活の質の向上を図る。ミャンマーでは、農家をサポートする「坂ノ途中社 海ノ向こうコーヒー」と連携し、良質な苗木を提供し、栽培や加工方法のセミナーなどを開催し品質向上のためのトレーニングを実施する。コロンビアは、内戦で土地を追われた方々の、農園での生活再建サポートを支援する。ブラジルは、味の素グループが生産するうま味調味料の生産過程でできた栄養豊富な液体肥料を提供し、品質向上をはかる。これら4地域のコーヒー豆を使用したスティックブラックドリップコーヒーの新商品を作りました。「ちょっと贅沢な珈琲店Ⓡ」ブランドの「ちょっと贅沢な珈琲店ⓇEVERBLACKⓇ」は、2月1日から、通販限定で販売しています。

世界空想旅行試飲会」という顧客向けのイベントに参加すると、「産地に想いを巡らせながら楽しんでください」と呼びかけられ、さっそく試飲です。それぞれ香りも味も全く違い、産地によってこれほどまでに個性が出るのかと驚きました。

エチオピアは、今までに飲んだことがない初めての香りと味。発酵させていますので、熟したベリーのようなまったりした深い味わい。実はエチオピアは、日本の茶道のようなセレモニー「カリオモン」というのがあるそうです。エチオピアに行って体験してみたいですね。

ミャンマーでは、家庭菜園のように庭先や、裏庭にコーヒー農園があります。森の中の樹々が生い茂るところで栽培される日光を遮る育て方をしています。味の素AGFと協業する坂ノ途中社が主体となって栽培のトレーニングをしていますが、見せていただいた写真から現地の方が熱心に取り組んでいる様子が伝わってきます。ほんのりした甘みがあり、土壌の恵みが感じられます。

コロンビアは、自然豊かなところ。高くそびえる厳しい山々の斜面を開拓してつくられた水はけのよい肥沃な大地で育てられる豆は、どんどん品質が上がっているのだとか。すがすがしい味で、今までの中では一番飲み慣れているかもしれません。

ブラジルでは、1940ha、東京ドーム422個分という広大な農園で、日系ブラジル人のフクダさんがつくっています。どこまでも平らに広がる大地で陽の光をたっぷり浴びたローストアーモンドのような香ばしさが味わえます。

パッケージも可愛い。飛行機から現地を見た景色として、イラストレーターの中村隆さんが描きおろしました。

このプロジェクトの担当者コンシューマービジネス部マーケティング第2グループ主任 松田恵梨子さんは、「企画から開発まで1年半ほどかかりました。まずは製品化できる量が必要で、ようやく販売できるようになりました。コーヒー初心者の方もカジュアルに楽しんでほしい」と語ります。

単品もありますが、飲み比べセットで召し上がると、その違いがよくわかります。肩に力を入れてSDGsだと声高に叫ばなくても、飲むことで生産地を想い、少しでもお役に立てるなら嬉しいですね。

*2024年3月12日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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