Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

特別展「古代メキシコ ーマヤ、アステカ、テオティワカン」 9月3日まで

マヤ、アステカ、テオティワカンという古代メキシコの代表的な3つの文明にさかのぼる展覧会です。メキシコの博物館から至宝、約140件が発掘調査の結果を交えて紹介されています。1トンもの大きな展示物もあり、運ぶのがどれほどたいへんだったか。でもおかげで、遺跡そのもののサイズ感が感じられました。思った以上に展示が多く、しかも状態が良く色彩も残り美しく、古代メキシコ文明の発展ぶりに舌を巻きました。

まずは、第一章の「古代メキシコへのいざない」で全体像をつかみます。古代メキシコ文明は、メソアメリカ(中央アメリカ)に位置し、紀元前1500年から約3000年にわたって繫栄しました。火山の噴火があり、地震や干ばつなど自然環境は厳しく、人々は神を信仰し、墓や大神殿、ピラミッドなどが築かれました。この時代の、どの土偶、石偶を見ても可愛くてたまらないと思うのはなぜなのでしょう。ピラミッドを造った想像を絶する技術力や権力もさることながら、土偶などに表れるユーモアあふれる造形に惹きつけられます。

 

第二章「テオティワカン 神々の都」メキシコ中央高原の一角に、紀元前100年から550年までテオティワカン文明が栄えました。ここは碁盤の目に作られた古代の計画都市で、25キロ㎡の都市空間に2000ほどの住居用アパートメント群が立ち並び、10万人が暮らしていたと考えられています。そこには高度な文明と豊かな暮らしがありましたが、使われていたであろう文字はまだ解読できていません。

3つの大きなピラミッド「太陽のピラミッド」「月のピラミッド」「羽毛の蛇ピラミッド」があり、直径1メートルを超える「死のディスク石彫」は、3つのピラミッドの中でも最大の「太陽のピラミッド」正面の太陽の広場から出土しました。「死のディスク石彫」は、死と再生を暗示しています。

羽毛の蛇ピラミッド」で出土した「羽毛の蛇神(へびしん)石彫」は、圧倒的な大きさです。ここは、王位継承のためのモニュメントではなかったかと考えられています。「羽毛の蛇ピラミッド」の垂直15メートル下には、平行した地下トンネルが掘られていたのが発見されています。しかしすでに盗掘されていて、内部からは大量のいけにえや捧げものが見つかっています。

第三章は、日本人にはなじみ深いマヤ文明「マヤ 都市国家の興亡」紀元前1200年ごろから約3000年間繫栄しました。暦や文字、天文学など高度な知識のある王や貴族が中心となって交易と戦争を繰り広げました。ゴムのボールを使った球技は、生贄を確定させるために行われていました。自らの命を大いなる自然に捧げるという人身供犠(じんしんくぎ)や生贄が社会の中に慣習として当たり前に組み込まれていました。儀式のための石彫や、描写した壁画、土器もたくさんあります。厳しい自然と折り合いをつけるために、社会も犠牲を払わなければならないということから、生贄が必要だと考えられていたのです。

日本初公開の「赤の女王」の孔雀石製のマスク・冠・首飾りは、真っ赤な辰砂(しんしゃ)に覆われて1994年に出土しました。マヤの黄金時代を築いた王の妃で通称「赤の女王」と呼ばれています。

 

第四章「アステカ テノチティトランの大神殿」1325年頃、首都テノチティトランが築かれ、200年たたないうちに軍事力と貢納制を背景に20万人以上の人口を抱える強国になりました。アステカ王国には、建築、絵画、彫刻など著名な芸術家たちが集まり、数多くのモニュメントが建てられています。1519年にスペインに侵攻され、1521年にこの文明は滅んでしまいました。

今、上野では「マティス展」「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」「特別展 海 ―生命のみなもとー」が開催中。

*2023年8月12日現在の情報です*記事写真の無断転載を禁じます*撮影はマスコミ向け内覧会の時のものです。

 

 

 

「特別展 古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」

東京国立博物館 平成館 2023年6月16日(金)~9月3日(日)9時半~17時(入館は閉館の30分前まで)

詳細はコチラのHPで特別展「古代メキシコ」 公式サイト (exhibit.jp)

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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