Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

すごく楽しいオペラもあるもんだ!「ミカド」

コミック・オペラ「ミカド」が東京・渋谷の新国立劇場で上演されました。

「滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール」で上演されたものが、「地域招聘公演」として東京にやってきたものです。「地域招聘公演」とは、平成17年から新国立劇場が行っている活動で、全国各地の現代舞台芸術を新国立劇場に招聘して地域団体と共催するというもの。今回は2017年8月26日(土)、27日(日)に開催しました。

提供:「びわ湖ホール」

 

演出・訳詞の中村敬一さんが作品について、またびわ湖ホールについて解説しました。

演奏は、関西を中心に活動する日本センチュリー交響楽団、指揮は園田隆一郎さん。

出演は、びわ湖ホール声楽アンサンブルの皆さん。日本初、公共ホール専属声楽家集団でびわ湖ホール自主公演の出演をメインに活動しています。現役メンバーを含めて今までに50名以上が在籍していたとか。エネルギーにあふれ、溌溂としていて、同じメンバーで活動することが多いためか互いの関係性がよく、自由にのびのびと楽しんで演じていました。

 

サリヴァン作曲イギリス・コミック・オペラ「ミカド」は、1885年にロンドンで初演され大ヒットとなり670回を超える歴史的ロングランを記録しました。

当時ヨーロッパを魅了したジャポニズムに触発された作品で、ジャポニズムオペラと言うと、私は「蝶々夫人」ぐらいしか思い浮かびませんが、実にその前から、多くの音楽作品が登場していたのです。

ちょうどその頃のヨーロッパでは、万国博覧会が開かれ、ロンドンでは「日本村」というテーマパークが誕生し、川上音二郎が欧州公演をし、と日本ブームが巻き起こっていました。

 

この「ミカド」という物語、ミカドの息子ナンキブ―が、恋するヤムヤムと結ばれようとするまでの喜劇。

日本の架空の町を舞台に、ストーリーには風刺が散りばめられ、『宮さん、宮さん』といった流行歌やメロディーを取り入れ、その時代の空気も反映させています。そして、当然今回の演出も、今の日本を色濃くうつし、中村さんが訳された詞も楽しいものでした。

 

舞台美術は、外国人が日本を訪れる時に見るWEBサイトのようで、その画面が次々と変わり、浅草や鎌倉、清水寺といった観光地などが盛り込まれています。相撲や歌舞伎の動きがあったり、関西風のテンポの良い笑いと軽みとが混ざり合い、衣裳も、いかにも外国人が見た日本です。

 

滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」は、京都から10分の距離にあります。琵琶湖畔に面しロケーション抜群の美しい環境の中で、このオペラのクオリティを味わえるなら、一度足を運んでみたい。

次回、京都に行ったときには、演目をチェックして足を延ばしてみようかしら。

 

*2017年9月1日現在の情報です。*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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