Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

頑張れ、鮨屋の若手職人!

銀座おのでら」は、鮨・天ぷらなどの日本食を世界に伝えることを目指して世界3か国13店舗を展開し、うち一部の店舗でミシュランの星を獲得しています。2022年4月には「お客様に育てていただく鮨店」をコンセプトに、実力のある後進を育てる立喰い鮨「「鮨 銀座おのでら登龍門」をオープンしました。場所は歌舞伎座の向かいという好立地です。

ここでは、高級店として知られる「鮨 銀座おのでら 総本店」で見込みある若手職人がカウンターに立ちます。ネタは総本店と同じもの。若手職人の勉強代として価格はリーズナブルに抑えられています。

そこでしばらくの間カウンターに立って、お客さんと直接相対し、仕入れから一通りのことを学び、親方からおすみつきをもらえれば、晴れて卒業。このたび、2月1日、3人目の卒業生、通称「昇り龍」が誕生することになりました。上村サミュエル礼さん、25歳。2月20日に「鮨 銀座おのでら名古屋店」のオープンにともない握り手として勤務することになりました。

  

1月26日開催された上村さんの卒業式には、英国人のお父さん、日本人のお母さん、お祖母のご家族も一緒に参加されました。

上村さんは、高校卒業後、料理の道に入ろうとイタリアンレストランで修業をスタートしました。しかし、お客さんの直接の反応が聞ける鮨に憧れ2019年に「GINZA ONODERA鮨アカデミー」に入り、3か月間、毎日違う種類の魚をさばき多くの経験を積みました。卒業後「鮨 銀座おのでら」に入社し、世界統括総料理長の坂上暁史の薫陶を直接受けました。

 

上村さんは、週に1、2度の豊洲の仕入れに親方に同行し「仲買さんの思いを聞いて、仕込んで出して、お客様に召し上がって頂く」までの流れを学び、時には実際の仕入れなども行うことがあり、喜びは大きかったと語ります。「坂上親方から、圧倒的に差をつけなさいと学びました。修行にかける時間もそのうちのひとつです。これまでは親方からモチベーションをもらってきましたが、今後は自分で変わらないといけないと身が引き締まります」と目を輝かせます。

卒業式では上村さんが鮨を握りました。柚子をのせた漬けマグロ、カマスの炙り、中トロ。どれも、ちょうどよい握り具合です。

 

最後に、坂上親方から上村さんに「よく頑張った。普通、鮨屋ではカウンターまで行くのに5年から10年はかかる。3年目でやらしてあげたいと思って『登龍門』ではカウンターに立たせていますが、鮨屋は覚えることがたくさんあってまだ何もできない状態です。でも、カウンターが一番自分の未熟さがわかる場所で、そこに多くの学びがあります。板前の醍醐味は、やりがいを見出し評価してもらうこと。大変だけど達成感を感じて次につなげていってほしい。『登龍門』はお客様が応援団でした。今後は厳しい環境の中で、つぶれてしまいそうになることもあると思う。でもそこを乗り越えて、さらに上へ、上へと向上心を持ってやってほしい」と励ましの言葉をかけました。

希望を持って新しい一歩を踏み出す若者を、応援したいと思います。

 

「鮨 銀座おのでら 登龍門」中央区銀座5-14-17USB1階 16時から22時(フードLo21時15分、ドリンクLO21時半) 詳細はコチラhttps://onodera-group.com/touryumon/
*2024年1月28日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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