Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

東京フィル 午後のコンサート 今シーズン初回は「クラシックの車窓から」

2023年4月15日(土)の東京フィル午後のコンサートは「クラシックの車窓から」。初登場の和田一樹マエストロは、若々しく元気いっぱい、明るさ満点です。鉄オタ(鉄道オタク)同士であるサクソフォンの上田耕平さんと一緒につづる、鉄道にまつわる曲で構成したコンサートでした。

撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

 

1曲目の、J,シュトラウスⅡのポルカ「観光列車」であっという間に旅に連れ出され、2曲目のオネゲル「機関車パシフィック231」で、重々しい機関車の車輪の音に耳を澄ませました。

そして3曲目は、酒井格さん作曲のアルトサックスのソロとオーケストラのための「シーサス・クロッシンング」。酒井さんも舞台に登場して、創作秘話を語りました。まだ芸大の学生だった上野さんに出会った8年前、上野さんから「ぜひ、書いてほしい」という依頼があってつくったこと。上野さんの列車愛を感じるtwitterのつぶやきに共感しながら作曲していったこと。ちなみに、はさみを広げたような形に線路が配置された分岐器のことをシーサス・クロッシンングというのだそうです。いや、好きな人が聞いたら嬉しい単語なのかしら(笑)。門外漢にはさっぱりです。

撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

会場となったオペラシティの最寄り駅は京王線の初台ということもあり、このシーサス・クロッシンングの写真をわざわざ京王電鉄に撮影してもらってプログラムノートに入れたと、和田マエストロはとても楽しそうです。

演奏は、今、注目の上野耕平さんのサックスの音があまりにもふくよかで温かく、今まで聴いたことがない音なのに驚きました。曲は、まるでミュージカルを見ているようで、愛と希望に満ちています

 

休憩をはさんだ後のお2人のトークは、京王電鉄の制服を嬉しそうに着て、指差し確認をして登場。まずは敬礼。そして、鉄道愛あふれる話が盛り上がりました。

撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団 協力=京王電鉄株式会社

京王電鉄が今年110周年ということもあり、敬意を表して、続いての曲は、和田マエストロ作曲の「京王ライナーオリジナルBGM KO5000」。和田マエストロは、学生時代は作曲を学んでいたそうで、作曲はお手の物。2018年に京王ライナーという座席指定の「ゆっくり座って帰宅したい」という方のための特別列車ができ、始発駅の新宿で発車前に車内に流れているBGMです。何て贅沢なのでしょう。和田マエストロご自身指揮で演奏されるのは初めてだそうです。

最後は大の鉄道好きとして知られるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」

鉄道を好きで好きでたまらない人たちが、鉄道にまつわる曲を楽しそうに演奏しているところが面白くて、観客の方もたまらなく面白かった。鉄道好きな人なら、もっと燃えるのでしょうね。午後のコンサート、いろんなことにチャレンジしています。

*2023年5月9日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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