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「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展覧会 開催中です

2025年大阪・関西万博の会場デザインプロデユーサーであり、大屋根リングの設計者として注目される藤本壮介初めての大規模個展が六本木ヒルズ森タワーの森美術館で開催されています。

森美術館の片岡真実館長が藤本壮介の個展を開催しようと決めたのは2022年のこと。その時すでに、大屋根リングのことは決まっていたそうですが、「展覧会は今まであるような設計図面や模型、竣工写真が並んでいるようなものではないものを」と依頼しました。そこから3年。じっくりとそして何度も何度も話し合いを重ね、今回の展示に至りました。

ここでは活動初期から約30年に渡る世界各地で現在進行中の主要プロジェクトをワクワクしながら見ることができ、涼しい室内で大屋根リングを体験し、他のクリエーターとのコラボレーションを楽しめる内容となっています

<「1,思考の森」で中央に立つ藤本壮介氏>

会場に一歩足を踏み入れると、現代アートのようにアーティスティックで、ウキウキと心が浮き立つ展示が散りばめられています。まるで人形の家のようなキュートで小さい模型が空間に点在し、設計図面や竣工写真が絵画のように美しい作品として宙に浮きます。大型模型は、まるでその建築がある場所にいるかのような感覚を抱かせます。建築空間を体感できる建築展は、感覚的で情緒的で魅力的です。未来の都市像の展示では、今を生きる私たちに社会の在り方について考えさせます。

<マスコミ向け内覧会で前列左から2番目が藤本氏>

無名だった藤本氏が一躍脚光を浴びたのが、2000年の「青森県立美術館設計競技計画」。その後、書物の森をコンセプトにした「武蔵野美術大学美術館・図書館」(2010年東京)、国際的に認知が広がったのは、白色スチール・パイプを立体格子状に組み合わせたパビリオン「サーペンタイン・ギャラリーパビリオン2013」(ロンドン)。これがきっかけで世界中から大きなプロジェクトの依頼が来るようになります。樹木が広がるようにバルコニーが多数配置された集合住宅「ラルブル・ブラン(白い樹)」(2019年フランス モンペリエ)、音楽複合施設「ハンガリー音楽の家」(2021年ブダペスト)などを手掛け、2031年竣工予定の「仙台市国際センター駅北地区複合施設」など現在進行中のものまで、数々の作品のイメージが驚きと楽しさを持って入場者に迫ります。

<「7,たくさんの ひとつの 森」展示室>

藤本氏は、「僕の建築は、複雑な状況をいかに複雑なまま、でも建築として鮮やかなものに消化していくかが一つの特徴で、その中で相反するものが、統合されています」と語ります。

東京、パリ、深センに設計事務所を構え、個人住宅、大学、商業施設、ホテル、複合施設など世界各地で大小さまざまなプロジェクトに携わっています。

 

展示室を回ってみましょう。

まずは、活動初期から現在計画中のものまで100をこえるプロジェクトを紹介する大型インスタレーション「1,思考の森」。模型、素材、アイデアの断片のオブジェなど1000個以上が年代順に配置され、興味が尽きません。森のように閉ざされていると同時に、開放的で、道がなく、方向もなく、発見があり、どきどきします。

「2,軌跡の森-年表」は、建築史家の倉方俊輔監修で、藤本俊介の活動の軌跡と、同時期に竣工した注目作品と出来事が掲載されています。東京大学を卒業後、個人で活動を始め、2000年に設計事務所を設立し、2010年頃から国際的に活動し始めます。

「3,あわいの図書室」は、ブックディレクター幅允孝が藤本建築から着想を得た「森 自然と都市」「混沌と秩序」「大地の記憶」「重なり合う声」「未完の風景」という5つのテーマで選んだ書籍40冊が1冊ずつ椅子に置かれ、本から抜粋された言葉が散りばめられています。本を読む読まないの「間(あわい)」としての空間です。

「4,ゆらめきの森」では人の動きに焦点を当て「5,開かれた円環」では、世界最大の木造建築である大屋根リングの5分の1の部分模型が中心です。万博に行かなくても「これが大屋根リングなのねぇ」と万博に行った気分になれます。

<「5,開かれた円環」展示室>

「6,ぬいぐるみたちの森のざわめき」では、藤本が手掛けた9つの建築がぬいぐるみになって対話するインスタレーションです。ぬいぐるみは、事務所の方の手作りだそう(笑)。楽しんでますね。

「7,たくさんの ひとつの 森」では、2024年コンペで選出され基本設計を手掛けている音楽ホール兼震災メモリアル「仙台市(仮称)国際センター駅北地区複合施設」が紹介されます。15分の1の大型吊模型が展示され、ここで見ているだけでもワクワクしますが、できあがったら、ぜひ現地に行ってみたいですね。

「8,未来の森 原初の森━共鳴都市2025」は、データサイエンティストの宮田裕章とのコラボレーションです。模型と映像で表現される大小の球体が複雑に組み合わせられた未来都市です。「小さな球体はヒューマンスケールで、全体では500メートルぐらいになります。そこでは人間が新しい立体的なコミュニケーションをどうとるのか、多様なプログラム多様なスケールの空間が今までにない形で隣接することで多様な活動、状況を作っていけるのではないかと思っています」と藤本氏は語ります。

不思議であると同時に美しく、環境に配慮され、人と人との変わっていく関係性、分断されたコミュニテイをつなぐ機能、テクノロジーの発展に影響される生活など目が離せません、

<「8,未来の森 原初の森━共鳴都市2025」展示室>

藤本壮介氏は、北海道・旭川の隣、東神楽町に生まれ、子供の頃は雑木林で遊んでいました。そこには森に囲まれる安心感と解放感があった。キャリアの最初は、お父様の精神科病院の増築でした。その時にお父様から「精神医療施設に入院されている方々はそれぞれが、それぞれで、管理する側される側ではなくオープンでフラットにしたい」と言われたそうです。「一緒の場所にいながら自分が隠れる場所があってほしい。それぞれが違い、色んな人がいて、色々なバックグラウンドがあって、それが違いを保ったまま共存し、違いが響き合うことで思いもしなかった新しいことが生まれてほしいという願望がある。それが自分の未来に対する希望です。それは尊いことで、そういう社会がふさわしいと思い、それが私が建築するうえでのベースとなっています」とマスコミ向け内覧会で藤本氏は語りました。

 

1度見ただけでは足りない、もっと見たいと思っていたらありました「リピーター割」。森美術館オンラインチケットサイトでチケットを購入後、来場すると、2回目の鑑賞料金が半額になる割引クーポンがもらえます。また、期間限定の学割や、平日4人揃えばお得なグループ割もありますので、HP(https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/soufujimoto)でご確認ください。

「藤本壮介の建築;原初・未来・森」森美術館(東京・六本木)2025年7月2日(水)~2025年11月9日(日)

*2025年8月28日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

 

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
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だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

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