Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

「マリー・クワント展」 Bunkamura ザ・ミュージアム

Bunkamura ザ・ミュージアムで「マリー・クワント展」が始まった。同時にドキュメンタリー映画マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」もBunkamuraル・シネマでスタートだ。

マリー・クワントは、今年92歳。1960年代、世界的なブームとなったミニスカートを生み出したデザイナーである。イギリスで最も有名なファッションデザイナーのひとりとなった彼女の軌跡をたどるものだ。

この展覧会、イギリスを熱狂させ、約40万人が訪れた展覧会の巡回展となっている。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館から約100点の衣服、小物、写真資料、映像などがやってきている。さらに、その一部は「SNSでイギリス全土から募ったもの」と、この展覧会の翻訳監修を務める服飾史家中野香織さんは言う。それほど、一般の人がおしゃれ着として大切に着ていたものだということがわかる。

1955年に最初のブティックをチェルシーに開店してから20年間のデザイナーとしての歩みを覗いてみよう。

 

彼女は「ファッションは人生を楽しむもの」であり「自分自身や、なりたい自分を表現する手段だ」と語っている。

今では当たり前のことかもしれないが、彼女が登場したのは、まだ第二次世界大戦の傷が残っていた時代である。良妻賢母が理想の姿であり、夫に従うのが当たり前だった。そんな閉塞感を破るがごとく、もっと楽しもう、自由に自分らしくあろうという、既存のルールにとらわれない躍動的な彼女のファッションが、人々の心をつかんだ。

ミニスカートやタイツ、ホットパンツにパンツスタイルを普及させ、ビートルズやモデルのツイッギーとともに、時代の顔となった。

ブランドは衣服のみならず、インテリアや化粧品となって、世界へ広がる。ブランドを管理するために、ブランドロゴの先駆けとなる私たちお馴染みのデイジーマークを商標登録し、ライセンス契約で現地企業に生産・販売を委託。ビジネスは大きく拡大する。

彼女が幸運だったのは、学生時代に知り合いのちに夫となるアレキサンダー・プランケット・グリーンと、実業家アーチー・マクネアといったビジネスパートナーに支えられ、クリエイターに専念できたことである。

会場に飾られた夫婦の写真は、あまりにもかっこよく、どれもポスターのようにサマになっている。

マリー・クワント社元取締役で、映画にも登場しているヘザー・ティルベリー・フィリップスさんも、このたび来日している。マスコミ向け内覧会では「マリーは1971年に日本でコスメシリーズを発売した翌年初来日し、その人気を目の当たりにした」と語る。日本に対する思い入れは強く、息子を1年余り日本に滞在させたこともあったという。

化粧品ブランドに集約化されたマリー・クワントは、現在日本に譲渡されている。

この展覧会を記念して数量限定で発売されているコスメと雑貨のスペシャルアイテムをチェックしながら、エスカレーターをあがれば、映画「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」が上映中だ。

ファッションは「注目を集める、セクシーに見せる、気分を良くさせるもの」と語るマリー・クワント。

人生を楽しむために、おしゃれして、さあ、渋谷にでかけよう。

 

「マリー・クワント展」2022年11月26日(土)~2023年1月29日(日)Bunkamura ザ・ミュージアム HP: https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/

映画「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」2022年11月26日(土)Bunkamuraル・シネマで公開 HP: https://www.quantmoviejp.com/

マリー・クワント 公式HP: https://www.maryquant.co.jp/

 

*2022年12月2日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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