Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

英国ロイヤル・オペラ・シネマ フローレスの「ラ・ボエーム」 1月20日(金)から1週間

英国ロイヤル・オペラを映画館で楽しむ、英国ロイヤル・オペラ・シネマシーズンプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」は、人気の高い演目です。

©︎2022 Marc Brenner 

19世紀末のパリの屋根裏部屋に住む、貧しい芸術家たちの恋と友情の物語。かけだしの若きアーティストたち、画家のマルチェッロや詩人ロドルフォたちは、自由なその日暮らし。暖さえもとれない貧しさですが、笑い合い、楽しく暮らしています。

ある日、ロドルフォはお針子ミミと恋に落ちます。ミミは、病気がちな女性でした。クリスマス・イヴにみんなで街に繰り出すと、そこは打って変わって華やかな世界。裕福できらびやかな人たちが集まり、鹿肉のローストに、七面鳥、ワイン、ロブスター・・・と、話しています。恋仲になった2人ですが愛だけでは、乗り越えられない病気や貧困という現実が、ロドルフォに重くのしかかります。愛しているのに助けることができない自分をふがいなく思い、ミミと別れることになり、そして・・。

原作は、アンリ・ミュルジェールの私小説「ボヘミアンたちの生活情景」。ミュルジェール自身も、そして、プッチーニも若いころは貧乏生活をしていました。

ミミのお針子という職業は、19世紀パリの名物でした。フランス革命後、裕福になったブルジョア階級には仕立て屋が必要となり、地方から出てきた貧しい娘たちはお針子になりました。とは言っても、貧しさゆえに男性のパトロンを見つける女性たちも少なくありませんでした。

私が今まで見た「ラ・ボエーム」は、どれも舞台が灰色で暗く、寂しげなものでした。しかし、この2017年初演のリチャード・ジョーンズ演出のプロダクションでは、カルチェラタンの場面で華やかな明るさに包まれます。貧富の対比がはっきりした舞台美術はスチュワート・レイン。

©︎2022 Marc Brenner 

 

ロドルフォ役にスターテノール、ファン・ディエゴ・フローレスを迎え、第一幕後半のアリア「冷たい手を」では、ハイC(高音のド)が響き、観客の心をつかみます。ミミは、アイリーン・ペレス。「私はミミ」の旋律など、誰もが知る名曲ばかりです。

画家マルチェッロにバリトンのアンドレイ・ジリホフスキー、ムゼッタにダニエル・ドゥ・ニース。指揮は、ケヴィン・ジョン・エドゥセイ。

雪の降る場面など、この季節にぴったりの演目です。上演の詳細はこちらをご覧ください。HP:http://tohotowa.co.jp/roh/

英国ロイヤル・オペラ・シネマシーズン「ラ・ボエーム」2023年1月20日から1週間限定

*2023年1月18日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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