Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

「京都・智積院の名宝」 サントリー美術館

京都・東山七条にある智積院の創建は室町時代。弘法大師空海から始まる真言宗智山派の総本山で、全国に約3000の寺を擁しています。智積院は、豊臣秀吉の政権下で一度衰退しますが、家康の寄進を受けて江戸時代初期には現在の地に再興を果たしました。この地には、元々秀吉の3歳で夭折した愛息、鶴松の菩提を弔うための祥雲禅寺がありました。長谷川等伯とその息子久蔵たち一門が描いた名高い金碧障壁画群は、その菩提寺の室内を豪華絢爛に埋め尽くすために描かれたものです。

当代人気の絵師だった彼らが制作した障壁画は、そのまま智積院が拝領することになり、これまでずっと智積院が守り伝えてきました。

絢爛豪華な輝き、大胆な構図、どれもエネルギーにあふれています。共作者である息子の久蔵は「桜図」の制作直後、26歳で亡くなってしまいました。

今回、国宝「楓図」「桜図」「秋に秋草図」「松に黄蜀葵図(とろろあおい)」など、寺の外で一堂に展示されるのは初めて。会場に入っていくだけで、圧倒されます。

そのほか、近代京都画壇を代表する堂本印象の「婦女喫茶図」「松桜柳図」は、障壁画から影響を受けながら描かれたと言われています。現在の智積院の宸殿を飾っている襖絵で、通常は非公開です。

帰りに、六本木ミッドタウンのイルミネーションにもお立ち寄りください。

 

サントリー美術館「京都・智積院の名宝」2022年11月30日~2023年1月22日 HP:https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_5/

*2022年12月4日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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