Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

地ブドウでできたワインを味わう「カンティーナ・ムゼオ・アルベア」

20世紀初頭に創業したイタリアプッリャ州アルベロベッロのワイナリー「カンティーナ・ムゼオ・アルベラ」は、昔から自生している上質な地ブドウのみを栽培し、高品質なワインづくりを行い、現在年間38万本を世界に輸出しています。ワイナリーはすべて石造り。ワインは岩に掘られたセラーに保管され、ワインセラーの上にはワイン博物館を併設する立派なワイナリーです。

このたび、世界的に知られるワイン年鑑(ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITALIANI)の創刊者で、イタリアワイン評論家のLuca Maroni(ルカ・マローニ)氏と、著名醸造家Mourad Ouada(ムラッド・オウアダ)氏が来日しました。

ルカ氏は、ローマ生まれ。1988年から2021年にかけて約40万本のワインをテイスティングして評価しました。ムラッド氏は、世界的に著名な醸造家リカルド・コッタレッラ氏の下で働き、経験を積んだ方です。この2人とのコラボレーションで、「カンティーナ・ムゼオ・アルベア」は、数々の賞を受賞しています。

左が醸造家ムラッド氏、左から2番目が批評家ルカ氏、その隣がワイナリー ムゼオ・アルベラのディレクタークラウディオ・シスト氏

11月2日に開催されたワイン会は、日本で本格イタリアンの草分けとして知られる片岡護シェフの「リストランテ アルポルト」で行われました。

まずは、オリーブオイルのミニセミナー。ちょうど今年のオリーブの収穫時期ですが、収穫状況がよくないのだとか。日本人にとっては、円安に加え、減産のダブルパンチです。解説によると、エクストラバージンオリーブオイルの有効成分が骨粗しょう症に良いのだとか。テイスティングは、手のひらで包み込むようにしてオイルを温め、香り、味を味わいます。

いよいよワイン会の始まりです。「本日の白身魚のカルパッチョ」からスタートです。

最初は白から。「Leiレイ」は 6カ月樽熟成させ、樽の香りがします。酸と苦みのバランスが良く、まろやかな味わいです。(ルカ評価94点/100)

人参のムース コンソメゼリー

 

ポルチーニ茸と帆立貝のソテー

PETRANERAペトラネラ IGPプーリア」は濃い赤色がとても美しく、口当たりがまろやか。クリアなアロマが香ります。(ルカ評価93点/100)

 

焼きリゾットミラノ風とフォアグラソテー マルサラソース

きのこのラグーソーススパゲティ秋トリュフ」さすがに、片岡シェフのパスタは最高です。

SOL ソルIGPプーリア」わずかに熟しすぎたブドウを手で収穫しています。ふくよかで包み込むような味わいです。アルコール度数は15度と高めで、私の一押しです。(ルカ評価96点/100)

 

いのししと栗の煮込みパスタ

LUI ルイIGPプーリア」は、スパイシーでフル―ティな香り。バランスのとれたまろやかな味わい。(ルカ評価93点/100)

 

黒毛和牛もも肉のタリアータ

COMELUNA コメルナIGPプーリア」は、月の満ち欠けに合わせてつくる究極の有機栽培のワインです。農薬や化学肥料を使わず、月や天体の動きに合わせてスケジュールが組まれています。奥深くロマンがあり、悠久の彼方を感じながら味わいました。こちらのワインは、伝統的なブドウ園を復活させてつくっています。ルカ氏の評価はまだついていません。

デザート盛り合わせ

どれもさすがの片岡シェフのお料理にぴったり。

「カンティーナ・ムゼオ・ALBEA」は、数々の賞を受賞しているワイナリーです。HP:albeavini.com

*2022年11月9日現在の情報です *記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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