Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

日本刺繍で美を極める 「謹賀新年 2018」

日本の美を求めて、松屋銀座「草乃しずか展 煌めく絹糸の旋律」に年末、行ってきました。そこには、アートのような日本刺繍の世界が繰り広げられています。

 

約1500年前、ペルシャからシルクロードを通って中国に伝えられた「刺繍」。それが仏教とともに日本にやってきて日本独自の発展を遂げ、日本刺繍として花開いたと言われています。

 

正倉院の宝物を参考に、日本刺繍の作家、草乃さんは袋帯に表現しています。

これだけの刺繍をするのに、一体どのぐらいの時間がかかるのでしょうか。もちろん時間だけではありません。美しく、構図も、配色も、その上技術が伴わなくてはなりません。こんな帯が欲しいけど、価格をつけるとしたら100万円?200万円?

草野さんは言います「職人さんが作るとしたら、価格がつけられずマーケットに出せません。私が主婦で、これが仕事ではないからできるんです」。

 

また、草乃さんがイメージしながら刺した振袖も絢爛豪華です。紫式部、マリー・アントワネット、マリア・テレジア・・。

 

 日本刺繍を伝承していくために、力を尽くす草乃さん。そもそも、お母さまの生き方から大きな影響を受けました。2016年、103歳で亡くなられたお母様は亡くなる寸前まで制作をされていたそうです。人生を彩る、日常生活に潤いを与えるお母さまの手による品々の一部も展示されています。

 

刺繍は、デザインはもとより糸の色の選び方、ライン、さし方など、すべてにわたって卓越していなければなりません。

 

オートクチュールで見られる、刺繍が施されたファッションも私は大好き。ため息が出るほど素敵です。子供の頃、刺繍にはまって様々なものに刺しゅうしていましたが、可愛い熊さんのつもりが、なぜか子ブタにしか見えなくてがっかりしたことも(笑)。

 

2018年の幕開け。美しいものを愛で、感動に心震わせながら今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

「草乃しずか展 煌めく絹糸の旋律」

~2018年1月15日(月)

会場:松屋銀座8Fイベントスクエア 営業時間:10時~20時*1月2日(火)は9時半から19時半まで(入場は30分前)、最終日は17時まで。HPはコチラ

 

*2018年1月1日現在の状況です。*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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