Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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「古代アンデス文明展」は2018年2月18日(日)まで

一度は行ってみたい憧れの「ウユニ塩湖」、15世紀のインカ帝国の遺跡「マチュピチュ」・・・、南米は日本から遠いけど、それだけに想いは募ります。

会場内の映像より

 

南米大陸の太平洋岸に繁栄したアンデス文明は、現在のペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリ北部に栄えました。

先史時代から16世紀(1532年)にスペインが征服するまでの約1万5000年の間、南北4000キロ、標高差4500メートルの地域で、ナスカ、モチェ、ティワナクといった多くの文化が栄えていました。その中の代表する9つに焦点を当て、謎を解き明かしていこうという「古代アンデス文明展」が開かれています(東京国立博物館2018年2月14日まで)。

いくつもの文化が連なって影響を与え合い、そこで育まれた神話や儀礼、神殿、ピラミッドをつくった技術や独自の生活様式など、約200点が集められています。

会場内の映像より

 

地上絵で知られるナスカは不思議でなりません。どうしてこんなことができたのか。1930年代に偶然に発見され、今もたくさんの仮説が立てられています。

マチュ・ピチュを含む南北4000キロに及ぶ地域を支配したインカ帝国。

ここは1911年に探検家によって発見された天空都市です。居住区と、宗教施設が密集する地区、段々畑がある農業地区の3つに分かれています。水路が走り、段々畑が広がり、広場や高官の住まいや太陽神殿を中心とした施設があり、高度に発展した都市が紀元前15世紀に存在しました。

会場内の映像より

会場内映像より<クスコ近郊のマラスの塩田>

 

展示は、時代を追って進められています。紀元前13000年~前3000年の頃、アンデスへ人類が到達し定住するようになって宗教を持ち神殿が作られ始め、紀元前1300年頃~前500年のチャビン文化の時代になると地域ごとに独特の宗教観が芽生えてきたようです。

すごく身体の柔らかい人だなと思ったら切断された自分の首を持っているのでした。驚愕です。

クピスニケ文化(紀元前1200年頃から前800年頃)ペルー文化省・国立チャビン博物館所蔵「自身の首を切る人物の象形鐙型土器」

 

紀元200年~750/800年のモチェ文化の土器からは彼らの世界観が垣間見えます。人間、自然、死者、神々をキーワードに、創られています。男性の背中に乗っているのは猫でしょうか。

モチェ文化(紀元200年頃から750/800年頃)ラルコ博物館所蔵 左側「裸の男性の背中にネコ科動物がおぶさった鐙型注口土器」

 どれもこれも土着的で可愛いらしく感じられます。

モチェと同時期にペルー南部海岸で栄えたナスカ文化。土器や織物には見事な多彩色による装飾が施されています。

左 ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ベルムデス・ジェンキンス」8つの顔で装飾された砂時計型土器

 

シカン王国を征服したチムー王国は、強く豊かな勢力となりました。

チムー文化「リマ美術館」人間をかたどった祭祀用の杯

 

そしてアンデス各地の文化は、アンデス最大で最後のインカ帝国へと受け継がれていきます。

また、乾燥しているため遺体がミイラとなって残ることから、生きている人間と並行して死んだ人の世界があり、その命は永遠に続くと考えられていました。死者もずっと生き続けているということです。

エジプトより以前、7000年前から人工的にミイラが作られ、家の中でミイラと共に暮らし、着せ替えたりご飯を出したりしていました。ミイラをご覧になりたい方は東京国立博物館に、どうぞ足をお運びください。

 

シャーマンは、神や死者と交信し、内容を人々に伝えていました。

 

 

知りたいことが山ほど出てきてもっと、もっと調べたり、本を読んだりしたくなってきます。

古代アンデス文明展、知識欲が掻き立てられます。

 

「古代アンデス文明展」国立科学博物館 東京都台東区上野公園7-20

2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日) 9時~17時(金、土は20時までで入場は閉館の30分前まで)

休館:毎週月曜日 2月12日(月)は開館 HPはコチラ 問合せ:ハローダイヤル03-5777-8600

 

*2018年1月26日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます*マスコミ向けに特別に許可をいただき撮影しています。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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