Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

「もうひとつの江戸絵画 大津絵」展、そろそろ閉幕です

大津絵は、江戸時代初期、滋賀県大津の宿場で東海道を旅する人たちに売られていた土産物の絵画です。庶民のために量産され、型紙や版木押しなどを使い手間を省き、素早く色を施し、安価で提供していました。線は単純化され、使われる色もおおよそ決まっています。絵柄は、神仏、人物、ひょうたん、猿、鬼などで、それらがユーモラスなタッチで描かれています。

著名な作者がいたわけではなく、風刺や教訓がこめられ、多くの人たちから愛されていました。

時代とともに描く内容や形式は変化し、100種類以上あった画題は最後「大津絵十種」と呼ばれ、鬼の念仏、藤娘、雷公、瓢箪鯰、座頭、槍持、鷹匠、弁慶、矢の根、長頭翁に絞られ護符としても使われていました。

これらは実用品であったため、残念ながら現在あまり残っていません。しかしその魅力に惹きつけられ、多くの文化人が魅了されて熱心なコレクターとなったのです。

文人画家の富岡鉄斎、洋画家の浅井忠、民芸運動の創始者柳宗悦、洋画家の小絲源太郎、梅原龍三郎、染色家の芹沢銈介など審美眼のある目利きたちが古い大津絵を愛し、所蔵しました。この展覧会は、こうした目利きたちの旧蔵歴が明らかな名品が約150点紹介されています。

小絲源太郎秘蔵のコレクションは、笠間日動美術館が一手に収蔵しています。柳宗悦のものは日本民藝館からもってきています。

 

文化人の愛した、大津絵の魅力にぜひ、触れてみてください。

 

「もうひとつの江戸絵画 大津絵」展 東京ステーションギャラリー 2020年11月8日(日)まで

 *2020年11月2日現在の情報です。*写真記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ