Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』4月8日(金)スタート

20世紀バレエの傑作、『ロミオとジュリエット』の物語を知らない人はいないでしょう。映画「ウエストサイドストーリー」の元になったお話です。バレエでは、印象的なプロコフィエフの「モンタギュー家とキャピュレット家」(騎士たちの踊り)の曲が、「市場の場面」で演奏されますので、お楽しみに。

© 2019 ROH. Photograph by Helen Maybanks

さて、振付はケネス・マクミラン。1965年に初演され530回以上も上演され続ける英国ドラマティックバレエの最高峰です。最初のワンフレーズの演奏で、一気に物語に引き込まれます。ジュリエット役は、昨年プリンシパルに昇格した英国出身のアナ=ローズ・オサリバン。少女のジュリエットは、無垢で、純真で、抱きしめたいような可愛らしさ。ステップに感情をこめて踊ります。ロミオと恋をして、大人の女性になっていく変化が見事です。

ロミオ役は、ポルトガル出身の若手プリンシパル、マルセリーノ・サンバ。ロイヤル・バレエでは史上2番目の黒人男性プリンシパル・ダンサーです。男らしく溌溂としていて、そしてチャーミングです。

このロミオの役と言うのは、技術も演技もとても難しいと指導する先生たちは声を揃えます。ロミオは、市場のシーン、剣闘のシーン、娼婦とのダンスに、舞踏会でのシーンと踊りっぱなし。マクミランは、ロミオにたくさん踊らせます。そして2人のロマンティックなバルコニーの場面に入り、しっとりと愛を語ります。2人は見つめ合い、その表情と眼差しでたちまち恋に落ち、離れられなくなります。ロイヤル・バレエ・スクール同級生の2人の息はピッタリ。そのあとも、ユーモアにあふれた踊りや、「ロミオはしゃぎすぎだろ」と笑ってしまうシーンも登場します。

そして、悲しい終幕が訪れます。

© 2019 ROH. Photograph by Helen Maybanks

幕間のインタビューで、現在、指導者として活躍しているリヤーン・ベンジャミンと、『変身』で強烈な印象を残し、今年ローレンスオリヴィエ賞にノミネートされているエドワード・ワトソンが登場します。

「動きでその人物の人柄を表し、演技をし感情をこめ、常に体のラインを意識しつつ、オーケストラピットを超えて、観客に瞬時に気持ちを伝えなくてはならない。顔や目の表情、呼吸が多くを語る」と指導します。

それは、舞台上にいる他のメンバーにとっても同じこと。身体で、顔で、演技します。ケネス・マクミランの振付は、自然でリアルなのが持ち味です。ここでシネマならではの利点がいかされます。クローズアップされてダンサーたちの顔がよく見えること。

豪華な衣裳と美術はニコラス・ジョージアディス。可憐なジュリエットとチャーミングなロミオの2人を、お見逃しなく。

 

4月8日(金)よりTOHOシネマズ日本橋 ほか全国公開 公式HP:http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=romeojuliet2021

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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