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紳士のたしなみ

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高級食パン「銀座に志かわ」の新戦略

高級食パン専門店「銀座に志かわ」1種類の食パン(1本2斤800円税別)しか扱っていない人気のパン屋。ご多分に漏れず、私もあちこちの高級食パンを食べ歩いたことがあります。そのときに「高級食パンの中でも『銀座に志かわ』のが一番好き」という友人の話を聞き、電話をして予約をし、時間指定でイソイソと買いに走りました。

その「銀座に志かわ」が2021年4月14日に、創業から3年たたずに100店舗オープンを達成します。それを記念して、東京で最も予約を取るのが難しいと言われる日本料理の名店「くろぎ」が、この食パンのために作った「抹茶みつ」を「銀座に志かわ」の店舗で販売することになり、試食会が開催されました。

銀行マンからパン屋の経営者に転身した高橋仁志社長から「銀座に志かわ」のパンは、水にこだわっていること。本来、教科書にはパンには弱酸性の水を使えとあるが、あえて独自開発のアルカリイオン水を仕込み水として使用している。アルカリイオン水は、イーストの活性につながりにくくパンには不向きだと言われているが素材のうまみを引き出す効果が高いとされているため、研究を重ねて開発した。カナダ産最高級小麦、100%バター、北海道の生クリーム、はちみつ、などを使用することで、ほんのりした甘みと、なめらかでしっとりした食感を実現していると説明がありました。

そのパンにあうように、「くろぎ」の主人、黒木純氏と一緒に一年かけてつくりあげたのが「抹茶みつ」です。もともと、この食パンは和の食材に合うように考えられているとのことで、ご飯のような甘みがあるため、きんぴらごぼうや塩辛、たこわさなどと食べてほしい。そこに「抹茶みつ」という和の甘味を加えて、デザートにしてもらおうという提案です。

さらに、海外展開を視野に入れ、世界的人気の「抹茶」で商品開発しました。抹茶の苦みと濃厚な甘み、醤油の隠し味で塩気を足し、色や香りにもこだわっています。

さて、いただいてみると、パンにつけて食べるビタミンCたっぷりの「みつ」で和菓子のようです。中でもトーストしてバターを塗り、抹茶みつを塗った上に炒った白ごまを振りかける「すりごま抹茶みつトースト」の食べ方は、私のお気に入りでした。

それにしてもあっという間の100店舗。高級食パンの需要がそんなにあるのでしょうか。

「50%が自宅用で、安心安全を求めて、あとの50%が進物用で手土産として。料亭のような高級感を出すために紙袋にもこだわり『水にこだわる』ことを表現する水滴の透かしを入れてあります」(高橋社長)と話してくれました。

家ではちょっとした贅沢を味わうために、手土産としては、手に入りにくいという希少感があり、価格も1000円以内で喜んでもらえるというのが受け入れられている要因でしょうか。

コロナ禍で家にいる時間が長く「プチ贅沢」としての人気もあってか、2020年2月~21年1月の売上高は、前期比12.3%増と伸びています。

 

*2021年4月11日現在の情報です

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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