Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのエンターテイメント

ヤニック・ネゼ=セガン指揮 METオーケストラ来日公演が、やって来ます。

METライブビューイングでおなじみのマエストロ、ヤニック・ネゼ=セガンが、METオーケストラと来日します。METオーケストラが来日するのは13年ぶり。2024年6月22日~27日、兵庫県立芸術文化センターと、東京はサントリーホールで開催されます。

改めて、ヤニック・ネゼ=セガンは、世界三大歌劇場である「メトロポリタン歌劇場」を率いる音楽監督で指揮者。若手でエネルギーにあふれ、溌溂として色彩豊かな音楽をつくりだすことに定評があります。また、歌手たちに寄り添ってくれると歌手たちからも絶大な信頼を得ています。その彼が紡ぎ出す音楽を生で聴ける機会がやってきました。

©Jonathan Tichler/Metropolitan Opera

 

2024年6月22日(兵庫)、25日と27日(東京)のプログラムAは、

ワーグナーの『さまよえるオランダ人』序曲

オランダ人船長が神を冒涜した罪で永遠に海をさまよい続ける幽霊船伝説に基づいて書かれたワーグナー初期のオペラです。この有名な序曲は誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。

ドビュッシー「ペレアストメリザンド」は、マエストロが好きなオペラの一つ。

そしてバルトーク『青ひげ公の城』では、当代きってのエリーナ・ガランチャクリスチャン・ヴァン・ホーンがソロを務める演奏会形式です。『青ひげ公の城』は、バルトーク唯一のオペラで、青ひげをヴァン・ホーンが、ユディットをガランチャが歌います。

エリーナ・ガランチャは、METライブビューイングの常連で、最高のメゾソプラノの一人です。あの美貌と演技力、歌唱に魅了されている方も多いはず。彼女のカルメンや、ズボン役で登場するばらの騎士は特に魅力的。かくいう私もファンの一人です。生で見られたら、それほど幸せなことはないでしょう。そしてヴァン・ホーンの美声と精神性のある歌声で、『青ひげ公の城』をたっぷりと堪能できそうです。

©Christoph Köstlin

2024年6月23日(兵庫)、26日(東京)プログラムBは、

モンゴメリーの『すべての人のための讃歌』。最近METは現代のレパートリーを深め、新しい委嘱作品もたくさん手掛け、世界初演も多く行っています。そこで、組み込まれたのがこの曲。モンゴメリーという同時代の作曲家の作品が選ばれました。

モーツアルトのアリア『私は行きます、でもどこへ』『ペレニーチェ』は、トップソプラノであるリセット・オロペサが歌います。彼女は、モーツアルトが得意。METライブビューイング2019年の「マノン」の題名役が印象に残ります。

©Steven Harris

そして通常、METのオケでは聴くことができないマーラーの『交響曲第5番』です。マーラーが恋をして作曲した『アダージェット』は必聴です。のちに奥様となる社交界の華、アルマに出会って3週間で求婚し、翌年結婚しました。多くの人に愛されるロマンティックで物悲しい、超人気の曲で、第5番を作っている時に作曲したため、急遽、交響曲の中に入れこみました。

©Chris Lee

2023年のグラミー賞の最優秀オペラレコーディング賞を「テレンス・ブランチャード」(日本では2022年にMETライブビューイングで上演)でオケと合唱が、クラシック・ソロヴォーカル・アルバム賞にルネ・フレミングとマエストロが、これらの作品で2つ獲得しています。

ヤニック・ネゼ=セガンは「METオケの優れているところは互いを聴く能力。さらに、普段ワーグナーなどの大作を手掛けているので、マーラーの交響曲第5番の80分と言う演奏時間も何ということはない」と語り、ゲルブ総裁は「コロナ禍を経て新しいことに挑戦しなければ未来にチャンスはないというMETの今を体感できる機会になるだろう」と話しています。
今の時代のMETを体感できるなんて。あと約1ヵ月、今からワクワクします。

ヤニック・ネゼ=セガン指揮 METオーケストラ来日公演 HPはコチラ https://www.met-japan-tour.jp/

*2024年5月21日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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