Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

METライブビューイング 2022-23シーズン《ばらの騎士》

本格的なオペラを映画館で楽しむMETライブビューイングは昨年秋から始まったシーズンの、いま7話目。《メデア》《椿姫》《めぐりあう時間たち》《フェドーラ》《ローエングリン》《ファルスタッフ》ときて、リヒャルト・シュトラウス《ばらの騎士》を上演中です(5月26日~6月1日)。

(c)Ken Howard/Metropolitan Opera.jpg

年下の青年伯爵オクタビアンを恋人に持つ美しい元帥夫人マリー・テレーズにリーゼ・ダーヴィドセン。昨シーズン《ナクソス島のアリアドネ》のアリアドネ役で好評を博しました。《ばらの騎士》の元帥夫人役は初めてですが、つややかで豊かな声。マリー・テレーズは、年を重ねる哀しみを知る大人の女で、METでは2000年からルネ・フレミングが20年間、当たり役として演じてきました。今回のリーゼ・ダーヴィドセンは、観客の期待に十二分にこたえていました。グリーンのロングドレスも、ブラックのドレスもとても素敵。お似合いです。

(c)Ken Howard/Metropolitan Opera.jpg

17歳の伯爵オクタビアン役にサマンサ・ハンキ―。女性が男装して演じるズボン役です。2017年のMETでは、エリーナ・ガランチャが魅力的に演じていたのを思い出します。

元帥夫人のいとこ、オックス男爵にギュンター・グロイスペック。好色で、下卑た貴族を演じて、上手いですねぇ。いやらしさがあふれています。彼の婚約者ゾフィーにエリン・モーリー。この役は、2人とも当たり役です。

ゾフィーの父親、ファーニナルはブライアン・マリガン。成金の武器商人で、貴族の称号をもらったばかり。オックス男爵との結婚を上流階級への足掛かりと考えています。

物語は・・

美しきマリー・テレーズは、年の離れた若い青年伯爵オクタヴィアンと恋仲です。新興貴族のファーニナルの娘、ゾフィーと婚約した従兄のオックス男爵が、婚約の印を届ける「銀のばら」の使者をだれに託そうかと考えていたところ、マリー・テレーズは、オクタヴィアンを指名します。若い2人は恋に落ちるのでした・・・。

18世のウイーンが舞台ですが、この演出では20世紀初頭の第一次世界大戦直前に変わっています。舞台には大砲が置かれ、銃を持った男たちが闊歩します。

指揮はシモーネ・ヤング。ウイーンフィルを指揮した初の女性指揮者です。METでの経歴は長いものの、ライブビューイングは初登場。情熱的にエレガントに、経験の豊かさが音楽にあふれでます。演出は世界で最も多忙な演出家ロバート・カーセン

上演は、6月1日まで。

全国の映画館で、詳細はコチラ https://www.shochiku.co.jp/met/program/4678/

*2023年5月28日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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