Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

すべてが120%の輝き、マリインスキー・バレエ『ドン・キホーテ』

世界最高峰のマリインスキー・バレエが3年ぶりに来日し、いよいよ始まりました。芸術総監督にワレリー・ゲルギエフ、舞踊監督にユーリー・ファテーエフ、指揮はアレクセイ・レプニコフ、そしてきらめくバレリーナたち。どこをとっても完璧すぎて非の打ち所がありません。

(c)Natasha Razina State Academic Mariinsky Theatre

 

初日の『ドン・キホーテ』を観てきました。22年ぶりの日本での上演です。『ドン・キホーテ』は全3幕で超絶技巧の華やかな踊りが満載の作品です。

第1幕は、バルセロナの広場。キトリ(ヴィクトリア・テリョーシキナ)は、床屋のバジル(キミン・キム)と恋仲です。父親は、文無しには娘をやりたくないと2人の交際に反対します。街の踊り子たち、闘牛士たちの踊り、スター闘牛士エスパーダ(コンスタンチン・ズヴェレフ)と踊り子(エカタリーナ・コンダウーロワ)、そこにドン・キホーテもやってきます。

第2幕は、父親のもとを逃げ出したキトリとバジルはジプシーの野営地に迷い込み、そこにドン・キホーテもきて、ジプシーたちは踊りを披露します。夜中にドン・キホーテが見た夢は、森の精たちの国でキューピッド(永久メイ)に森の精の女王(マリア・ホーレワ)を紹介されるというものでした。

第3幕は、居酒屋で楽しい宴を開く人たちのところにキトリとバジルは逃げ込んできます。そこに父親が追いかけてきたり、ドン・キホーテが乱入したりのドタバタ。そして結婚披露宴の場へと続きます。

(C) Natasha Razina State Academic Mariinsky Theatre  左がキム

 

ドン・キホーテというタイトルですが、彼は狂言回しなので、キトリとバジルが主人公。2人の見せ場のシーンがたくさんあり、跳躍力や、回転のスピード、2人の決めポーズなど、ハイクオリティな踊りに会場中が拍手喝采です。

プリンシパルのヴィクトリア・テリョーシキナと3年前にプリンシパルに昇格した韓国出身のキミン・キム共に安定していて息もピッタリ。2人とも、今が最高のコンデイションなのではないかと想像します。身体の隅々まで美しく、まるで絵画のようにピタリと決まります。最後のテリョーシキナの回転があまりに早く、怖いほど。

また、闘牛士エスパーダ役のコンスタンチン・ズヴェレフと踊り子役のエカタリーナ・コンダウーロワも素晴らしく美しい。キューピッド役の永久メイは、注目の日本人です。マリインスキー劇場200年の歴史の中で、日本人2人目の正式団員になったばかりのセカンドソリスト18歳です。また、森の精の女王役のマリア・ホーレワも、愛くるしい。

そして、どのシーンも衣装に目を奪われます。美しさを間近で感じてほしいから、ぜひオペラグラスをお持ちください。忘れたら会場で借りてね。さすが、世界3大劇場のひとつ。このチャンス、見逃すには惜しいですよ!

 

11月28日(水)の『ドン・キホーテ』を皮切りに、『マリインスキーのすべて』、『白鳥の湖』と12月9日(日)まで続きます。

詳細はコチラ

 

*2018年11月28日現在の情報です。*写真・記事の無断転載を禁じます。

 

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ