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紳士のたしなみ

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紳士のためのエンターテイメント

イタリア現代美術展「ファルネジーナコレクション」3月25日~5月7日

九段下のイタリア文化会館で、3月25日から5月7日まで、イタリア現代美術展「ファルネジーナコレクション」が開催されます。

ファルネジーナ」というのは、イタリア外務・国際協力省の庁舎の名前「パラッツオ・デッラ・ファルネジーナ」からとった名前です。

この庁舎の中に飾られた作品が元になっているのが、ファルネジーナコレクション。日本で言えば、外務省の中に展示されている作品がひとつのコレクションとして展示できるほどの数とレベルを誇っていると言うことでしょう。

アルナルド・ポモドーロ《大きな球体》(1966-1967) ローマ、外務省 写真:トンマーゾ・レペーラ

そもそもの発端は、1960年、イタリア外務・国際協力省が歴史的な建物から移転することになったことからです。ローマの中心部にあった庁舎は郊外に、しかもファシスト党本部の19世紀の現代的な建物へ移ることになりました。

ファシスト党の建物は、威圧感があるほど大きくシンプルで飾り気のないものでした。そこで、1998年、当時の外務事務次官だったウンベルト・ヴァッタニー氏がイタリアでその時活躍していたアーティストたちの作品を借りてきて展示しようと思い立ちました。

そして今では600点にものぼる、絵画、彫刻、写真、映像といった現代アートが展示されています。

サンドロ・キーア《イタリアの人々》(2000) ローマ、パラッツォ・デッラ・ファルネジーナ. 写真:ジョルジョ・ベンニ

今回の展覧会を監修したキュレーターは、アキッレ・ボニート・オリーヴァ氏です。作品は、イタリアを代表するアーティストであるポッチョーニ、デペーロ、ヨーディチェ、ピストレット、メルツをはじめとしたアーティストたちの、よりすぐりの71点。シンガポールを皮切りに東京、ニューデリー、ソウルを回る巡回展となっています。

今から25年前に、イタリアで現代美術を収集するのは、いかに画期的だったか。世界に名だたる芸術家たちの作品群が溢れる国で、現代アートを認めることは困難を極めたに違いありません。

 

ローマ、パラッツォ・デッラ・ファルネジーナ、内観 写真:ジョルジョ・ベンニ

この写真の真ん中に展示されているアルトゥーロ・マルティーニ の《亡き恋人》も今回、来日しています。

いまなら、イタリア文化会館に向かうお堀端の道すがらの桜に間に合うかもしれません。あなたもお気に入りのイタリア現代アートを見つけてみませんか。

 

*2023年3月23日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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