Challenge of the gentleman

紳士のチャレンジ

紳士のチャレンジでは、男が紳士になるために経験すべきテーマについて、
編集長、山之上友が体当たりでチャレンジしていきます。

オーダースーツにチャレンジ

サローネ・パルテンツァ〜番外編〜

■ミユキのイージーオーダー現場に潜入!

5ミユキグループの直営店「サローネ・パルテンツァ」で、イージーオーダーを創る。
高橋さんの、どこまでのリクエストが可能なのか、その一部始終を紹介。

 

1
【生地を選ぶ】印象はもちろんのこと、 価格の分かれ目でもある

ますは膨大な生地見本から、お目当てを探す。
ざっと数えても1000種類はくだらないため、来店前に欲しいー着を思い描いておくのがよい。
パルテンツァは4万5000円、カツシゲムラオカ プラス7は6万円から作ることができる。

 

2
【ベースモデルを選ぶ】仕立てへの細かいオーダーも可能

シルエットやコンストラクション、すなわちどんな形のスーツにするかを決める。
選択肢は英国調の「ザ・ロウ」、 イタリアンな「キアイア」、そして村岡勝重さんが手掛けるもっともモードな「カツシゲムラオカ プラス7」の3種類。

 

3
【ディテールを選ぶ】周囲との差別化を図るならココこそ腕の見せ所!

大枠が決まったら、 シングルかダブルか、フロントボタン数や素材、ジレが必要かどうか、襟の形や幅など細部の意匠を考える。
裏地の色も選べるため、実際に使用する生地の上に置き比較検討するべき。
微差は大差、 あなどるべからずだ。

 

4【採寸】お好みのシェイプをリクエストすることも

ジャケットでは着丈、 袖丈、 胸囲、肩幅。
パンツにおいては丈からウェスト、ワタリ、裾幅まで細部にわたって実寸値を計測。
例えば肩の高さや手の長さなどが左右で異なる場合、体形補正も踏まえた上で体にしっくり馴染むー着を仕上げてくれる。
   

↓↓↓


【約3週間程度で完成】
待つこと約3週間、ミユキグループの持つ国内工場にて、100%日本製のスーツが完成する。

 

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「なんでもない稽古日にこんな装いで現れたい。
真のダンディズムってそういうことじゃないかな。

■英国的なコンストラクションでイタリアの伊達を体現する贅沢
休日の街歩きやリゾートシーンで羽織りたいリネンジャケットには、「パルテンツァ」が誇るブリティッシュモデル「ザ・ロウ」を採用。
コンケープドショルダーをはじめ随所に構築的な意匠を持つ作りと、リネン・ウール・シルクによる軽快な白ストライプ生地の融合は、まさしく大人が着るべきリラックスジャケットにふさわしい。
裏地には差し色に最適なラベンダーカラーをチョイス、ふとした瞬間に覗く春らしさが好印象この上ない。
カジュアルに旬を体現するなら、上品ながら程よいヌケ感も満たしてくれる淡色のジャケットは押さえておくべきだろう。

◎ジャケット<オ一ダ一価格> 5万8000円
◎パンツ<オーダ一価格> 1万8000円
◎シャツ 9800円
(すべてパルテンツァ/ミユキ販売)チーフは参考商品

■高橋和也が纏う3つの選択
自身がダンディズムを体現するにあたり選んだのは、2着のスーツと1枚のジャケットだった。
彼ならではのアイデアがふんだんに詰まった3例のスタイリングを、まずはご覧いただきたい。

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【万能なマスターピースにも遊びがないとつまらない】

ビジネスだけでなく晴れの席でも決まるウェストシェイプの効いた3ピーススーツは、「カツシゲムラオカ プラス7」のもの。
「正装とはいえ遊び心を残したかった」と語る高橋さんが選んだのは、ネイビー地に白のウィンドペーンがあしらわれた英国ドーメル・マニュファクチュアリング社製のモヘア紺ウール。
こちらが” 10マンススーツ ”と称される所以は、1年のうち盛夏を除いた10ヶ月間着用できる汎用性にある。
サックスシャツに赤いパワータイを締めれば、ウォール街でも一際見映えるスーツスタイルが完成する。

◎スーツ<オーダー価格> 15万2000円(カツシゲムラオカ プラス7)
◎シャツ 9800円
◎ネクタイ 5800円
◎靴 3万8000円
(すべてパルテンツァ/ミユキ販売)チーフは参考商品。
商品価格はすべて税抜きです。

 

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【貫禄は必要、威圧感は不要という煩悩を叶えた小粋な名オーダー】

舞台上で魅せるダンディな貫禄を再現したダブルスーツは、「パルテンツァ」の中でも南イタリアのナポリテイストを表現する「キアイア」で製作。
ミユキテックスの超軽量素材を、ゼロライトと呼ばれる縫製で断突軽く仕立てた点にある。
肩パットを抜き曲線美を生かしたコンパクトなシルエットにより、特有の威圧感や肩肘張った印象が抑えられる点にも着目したい。
高橋さんは旬なアズーロのストライプ生地に、茶の焼き水牛ボタンをセレクト。
これにより茶系の足元がマッチしやすくなっているのはご覧の通りである。

◎スーツ<オーダー価格> 6万8000円
◎シャツ 9800円◎ネクタイ 5800円
◎靴 3万8000円
(すべてパルテンツァ/ミユキ販売)チーフは参考商品

 

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高橋和也×村岡勝重 〜男同士の熟れ語り〜
【世代を超えて受け継がれるダンディズムと装いの美学】

ミュージシャンから俳優への転身を果たし、舞台を中心に幅広く活躍する高橋和也氏と、長きにわたりこだわりの紳士服を追求してきた村岡勝重氏が、オーダースーツを通じ邂逅。
ダンディズムと装いの美学をテーマに、男が守り抜くべきこだわりについて語り尽くした。

「常日頃ダンディに装い 若い世代の刺激になりたい」

■業種と世代の異なる2人が辿ったファッションのルーツを探る

メンズプレミアム:高橋さんはかつて村岡さんが手掛けていたDCブランド、イン&ヤンをご存知でしたか?
高橋:僕は当時まだ中高生だったので体現することはできませんでしたが、もちろん知っていますよ。
格好良い大人が着る服というイメージでしたね。
そもそも村岡さんがイン&ヤンを始めたきっかけは何だったんですか?
村岡:実は私も若い頃にアマチュアロックバンドのボーカルをしていまして。
最初はミュージシャンに着て欲しいという熱い思いからでした。
高橋:そうなんですね! 影響を受けたミュージシャンはいますか?
村岡:ローリングストーンズのようになりたかったけどそう甘くはなくて。
手に職をつけるべく一念発起し、服飾の道を志したのです。
高橋:ミック・ジャガーをはじめ当時の大物たちはみんなテーラードスーツを着こなしていましたよね。
英国調を得意とする村岡さんのルーツはブリティッシュロックにあったんですね。
村岡:高橋さんは何からファッションの影響を受けたんですか?
高橋:僕はカントリーミュージックに造詣が深かった父の影響を受けました。
そこからずっとウエスタンファッションに魅了され続けています。
とりわけ衝撃的だったのが、29歳の若さで夭逝したアメリカの伝説的なカントリーミュージシャン、ハンク・ウィリアムス。
彼が着ていたヌーディというカリフォルニアのオーダーメイドスーツがとても格好良くて。
そこからテンガロンハットやカウボーイブーツに凝り始めて早20余年。
過去には彼になり代わり、ライブ形式の舞台を主演したほどです。
村岡:時代が変わっても若い頃の憧れは残るものですよね。
アイドルとして舞台に立っていた頃も一方でウェスタンファッションに身を包む高橋和也がいたというのは知りませんでした。
高橋:お揃いの格好で王子様のように扱われることには抵抗がありました。
なので、僕たちのグループは4人とも各々のスタイルを貫いたんです。
多分、世の中で何が流行ろうが “俺は俺だ“ と胸を張り続ける芯の強さは、その生意気な時代に培われたんだと思います。

「ダンディズムの継承に 多くの言葉は不必要」

■ダンディズムの体現はオーダースーツでこそ叶う

メンズプレミアム:今回オーダーされた3着のスーツを実際に纏っての感想をお聞かせください。
高橋:まずは予想以上の格好良い出来に驚き、袖を通したら軽さや着心地に、オーダースーツとはこれほどフィットするものなのかともう一度驚かされました。
それでいて3着が3着とも違った個性を持っている。
これはパーティで、これは休日のお出掛けにと、着るべきシーンまで思い描かせてくれます。
一生モノの一張羅となりそうです。
村岡:そう言ってもらえると作り手冥利に尽きます。
ダブルのスーツを着た高橋さんは、本当に貫禄がありました。
パルテンツァ、そしてカツシゲムラオカ プラス7のオーダースーツで叶えるダンディズムの継承者としては適任だったと思います。
アナタをお手本としてさらに若い世代がスーツを着たいと思ってくれたら私も嬉しい限りです。
高橋:本当ですか!?
僕がスーツを着る時にお手本としているのは、ジャン=ポール・ベルモンドやアラン・ドロンなどフランスの俳優たちなのですが、彼らのようにストイックでセクシーなダンディズムを発揮できるようより一層精進したいと思います。
村岡:高橋さんとは20歳ほど離れていますが、彼らのスーツスタイルには私も普遍的なダンディズムを感じていました。
世代は違っても標榜するアイコンには相通づるものがあるんですね。
高橋:若かりし自分がそうだったように歳上の先輩には憧れを抱くものです。
思えば私も46歳。
2世代ほど離れた若者と共演することも多くなりました。
役柄にもよるのですが僕は芝居について彼らに多くを語るほうではないので、装いを含めた普段の立ち居振る舞いでダンディズムを伝えられたらこれほど素晴らしいことはありません。
なので、晴れ舞台だけでなく日常でもこれらのスーツに身を包んで彼らの前に立ち、良い影響を与えていきたいと思います。
きっとそれも若者から見れば世代を超えた先輩にあたる私の使命ですよね。
村岡:私も同じです。
多くを語る必要は無く、作るものを見れば男のダンディズムが感じられる。
これからもそんなスーツを作っていきたいと思います。

 

●高橋和也
1969年生まれ、東京都出身。
ロックバンド「男闘呼組」のベーシス卜としてデビュー。
現在は脂の乗った舞台俳優として幅広く活躍中。
5月3日に封切りとなる明治座の舞台『新宿かわせみ』に出演予定

●村岡勝重
1951年生まれ。メンズ・ビギで菊池武夫氏に師事後、DCブランド「イン&ヤン」のデザイナーとして独立。
現在は「カツシゲムラオカ プラス7」他、多方面に渡りダンディなスーツスタイルを提案中。

 

<ミユキ販売株式会社>
URL:http://www.miyuki-hanbai.co.jp/

 

サローネ・パルテンツァ
(東京店)東京都中央区日本橋小伝馬町15-19ルミナスビル1F
(大阪店)大阪府大阪市中央区南本町3-4-15 南本町武田ビル 1F

ショップのご紹介

多くの知性や崇高な解釈によって、「本質と流儀」を極めた紳士たちのためのオーダーメードスーツブランド。
歴史から垣間見る「本質」を知ることで、”背広”の理解を一層深め、さらに上質なスーツと上質な時間を提供している。
日本屈指の高級毛織物メーカー「御幸毛織」の一貫製造の仕組みを最大限に活用し、原料の確保から伝統的な製織技術、仕上げ技法、厳しい検査基準、これらのテクニックを駆使した”ジャパン・メイド”のテキスタイルを創り上げている。グレードの高いカスタムオーダーは非常に高評を得ている。

http://www.salone-partenza.com

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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