Challenge of the gentleman

紳士のチャレンジ

紳士のチャレンジでは、男が紳士になるために経験すべきテーマについて、
編集長、山之上友が体当たりでチャレンジしていきます。

オーダースーツにチャレンジ

<前編>パターンオーダー「生地選び・採寸」〜番外編〜

(本章は、男子專科本誌 編集部員がチャレンジした、その番外編。)

 

【番外編:男子專科本誌 編集部員によるチャレンジ】

今日は父さんが、洋服の仕立てに行くと言うので社会見学を兼ねて、ついていくことに。
「俺が若いころCMで、ミユキ~ ミユキ~ 服地はミユキ~♪ ってやってたんだぞ!」
と鼻歌を歌いながらお店に。
ふ~ん。「ミユキ」って言うんだ。でも、高島屋の中なんだ?

え~?!何ここ?なんかデパートの中とは思えない。
「ここはな、80年代にイン&ヤンというブランドを設立したデザイナー村岡勝重という人が新たに立ち上げた「KATSUSHIGE MURAOKA PLUS7」ってブランドを扱かってるんだ。」と、「当時のスター達もイン&ヤンを着ている人がいっぱいいたんだぞ!」と興奮して語ってる。
今日はそのデザイナー村岡さんと会えるんだ!!!

ここは、普通の仕立てをやってる洋服屋さんとは違うらしい。
「ここはな、デザインとパターンオーダーの融合なんだよなあ~」と、偉そうに語る父。
正直よくわからない。
でもここのブランド名の由来は、デザイン、クオリティ、コンフォート、テキスタイル、シルエット、パターン、縫製の7つの服作り要素が由来なんだって。

そんなことを言ってる間に、父さんは生地選びに。
実際に触りながら肌ざわりを確かめてる。
「チンツ加工のウールはシルクと間違えるような感覚だぞ!」と、僕に得意気に言ってるけど「チンツ加工」って? ネットで調べてみると、「光沢を出す加工」なんだって。なんか、ちょっとかっこいいかも!
父の憧れの村岡さんからアドバイスを受け、生地を選ぶ。

続いて父さんは採寸に。まずは上半身。
ここは普通のオーダーメイドと変わらないみたいだなあ。しかし細かく寸法をとるんだなあ~。
新宿高島屋の藤塚さんが、村岡さんの指示で丁寧に採寸する。

「ここが他のブランドと違うところなんだぞ!」って。
あれ?なんで仕立てなのに背広を着てるんだろう?
これはプロトって言われる見本服なんだって。
高島屋の藤塚さんの説明だと、細身のドロップ8と、ややゆとりのあるドロップ6が用意されていて、デザイナーさんによる確固たるスタイルがあるから、この工程がひとつ増えるらしい。

父さんは、続いてパンツの採寸に。
裾は、ダブル、シングルのチョイスは出来るけど、デザイナー村岡さんが言うには、シルエットがかっこいいからシングルにするんだって。
特に父さんは、上半身と下半身のサイズに差があり、既製サイズが合わないからオーダーが良いらしい。

次に、ベストの採寸とフィッティング。
上着を着ていれば見えない部分だけど、「俺はラグビーやっていたから上半身がムキムキなんだ!」だって。うまく作れるのかね?父さんみたいなアンバランスな体型で。
ちなみにプロトのサイズは2センチ刻みになっているみたい(上着、ズボン、ベスト共)。

うわ~!なんかプラモデルの設計図みたい。
スーツは4型あり、シングル2ボタンのノッチドラベル、シングル2ボタンのピークドラベル、シングル3ボタン、ダブルの6ボタンが基本のモデルでズボンもノータック、ワンタックからチョイスが出来るんだって!ガンダムみたい!

これが裏地の生地。凄いよね。こんなところにもデザイナー村岡さんのこだわりがあるんだ!
ポケット口にもカラーを選べるきめの細かさ。父も満足気な顔をしている。

ボタンも様々な色、柄と選べるのか~「袖口5つの重ねボタンは村岡さんの基本仕様なんだぞ!」と。袖口に5つのボタンなんてみたことないなあ~。
あっ?ボタンにブランドロゴ刻印入り仕様もあるんだね。お父さん!ぜったいこっちの方がかっこいい!

今回のオーダーに使用された莫大なサンプル!
そこにはデザイナー村岡氏のこだわりと、それに対応できるミユキ販売のクオリティーの高さが伺える。
さあ、この繊細なパーツを使いどんな「デザインとパターンオーダーの融合」である「カツシゲ・ムラオカ プラス7」が出来上がるのだろうか?
果たしてお父さんのスーツの仕上がり具合は?次回にその全容が明らかに?!

KATSUSHIGE MURAOKA PLUS7

東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
新宿髙島屋 5F

ショップのご紹介

村岡勝重
“タケオキクチ”のブランドで知られる菊池武夫氏に師事後、自身で「イン&ヤン」のブランドを設立する。モードとクラシックを見事に調和させ、独自の感性に裏打ちされたデザイニングに魅了される人は少なくない。

http://www.miyuki-hanbai.co.jp/brands/katsushigemuraokaplus7/index.html

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのチャレンジ