Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき日本の逸品

【表具 村山 秀紀】
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<古き伝統技術を現代の生活様式に活かす試み>

書や絵画を掛け軸、額、襖などに仕立てることを表具あるいは表装と呼ぶ。
本紙となる作品に相応しい装飾の組み合わせを考え、作品の良さをさらに引き立てる。
時には古い表具の補修も手掛ける。
言わば鑑賞と保存のための施術が、表具師の仕事である。
そのためには書画の知識はもちろん、茶道や華道、庭や建築など広範な知識とセンスが必要になる。伝統的な日本家屋にある和紙を使った装飾の大半は表具師の手によるもので、表具で自在に生活空間を演出するのも腕の見せどころだ。
現代風に言えば、アーティストよりはむしろプロデューサーだろう。
したがって、アーティストたる主役はあくまで書画であって、表具師は裏方に過ぎず、後世に名を残すこともない。
だが、ビングが看破したように「生活を芸術化させる」ことが日本文化の本質だとするならば、まさに表具師こそが、その体現者と呼ぶにふさわしい。
長らく日本文化の中心地だった京都には多くの表具師が集まり、伝統は今も受け継がれているが、立入好和堂の村山秀紀氏は、京都にありながら伝統から逸脱する異色の表具師である。
氏は時に、掛け軸の寸法などの 決まり事を一切無視する。
「それは畳の上に座った目線で見るためのもの。
椅子に座って生活する現代に適した掛け軸があってもいいはずです」 書函だけでなく、古切手や莱など、生活空間を彩るにふさわしいと思えば何でも使う。
それは、新しい時代に生きる私たちのための表具だ。
手法は違うが、伝統的な技術は生きている。
裏方たる表具師の系譜を真に繋ぐ仕事と言ってよいだろう。
本物は常に新しい。
今を生きる者だけに、伝統を継承する資格があるのかもしれない。

_G9A5104活かす三えみ 本紙を補強し、 歪みや固さを取るために和紙を張り合わせる「裏打ちは最も重要な工程。
刷毛を立ててトントン叩くのは、薄い糊で圧着させるためだ。 

_G9A5145外国の古新聞、 切手などを使った斬新な掛け軸。
従来の手法にこだわらず飾る空間に合わせて作る。
床の聞がない洋聞ならば、 むしろこちらのほうが装飾として合うはず。

立入好和堂
〒604-8063
京都市中京区蛸薬師通富小路束入油屋町139
Tel. 075-221-4607

■京都編

長岡京、平安京の遷都が行われた延歴年間からおよそ120年。
東京に首都を移した今日に至っても、古都・京都は変わらずに日本の伝統文化の中心地である。
京都の伝統文化と人々の暮らしは、常に多くの伝統工芸士によって支えられてきた。
暮らしの中に生きづいている伝統工芸品を守り、伝えて続けている文化の新しい担い手たちをご紹介。

 

 

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。