Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

五感を研ぎ澄ます紳士

第6回 時空を超えて 過去と未来をつなぐ『香り』

 

時空を超えて、私たちの過去と未来をそっと結んでくれるもの――それが「香り」です。

そして香りは、

五感を研ぎ澄ますための特別な存在でもあります。

ふと漂ってきた匂いが、瞬時に心の奥を揺さぶり、懐かしい記憶や感情を呼び覚ますことがあります。

目に見えず、触れることもできないのに、なぜか不思議に、私たちの感情へ強く作用する。

――これは「プルースト効果」と呼ばれています。

フランスの作家マルセル・プルーストが描いた小説『失われた時を求めて』の一場面、

マドレーヌを紅茶に浸した香りによって幼少期の記憶がよみがえる描写に由来されているそうです。

科学的にも、嗅覚は五感の中で唯一、大脳辺縁系に直接届く感覚とされ、

だからこそ香りは強烈に感情や記憶と結びつき、私たちの感性を敏感にしてくれるのです。(*注釈)

 

 

古代エジプトでは、香りは神聖なものとして、

宗教儀式において神々に捧げる贈りものとされていました。

絶世の美女と謳われたクレオパトラも、バラの香りをこよなく愛し、

美しさと魅力を引き立てるだけでなくその存在感をより一層引き立てたと言われています。

又、香りを外交や権力の場でも巧みに使ったと伝えられています。

床一面にバラの花を敷き詰めた晩餐会の逸話は有名ですが、

香りが人の感覚や心理にいかに強く影響するかを示す象徴的な例でしょう。

時代を経て、近代のファッション界でも香りは重要な役割を果たしてきました。

ココ・シャネルが残した「香水をつけない女性に未来はない」という名言は、

香りが単なる装飾ではなく、未来を切り開く力をもつファッションの一部だと教えてくれています。

香りは 沈黙の言葉=サイレント・ランゲージと呼ばれるように、

自分を語るもうひとつの表現方法でもあるのだと感じます。

海外では男女問わず、自分を表現するフレグランスを持ち、昼と夜で香りを使い分けたり、

季節に合わせて選んだり、香りを重ねる レイヤリングを楽しんだりしています。

また、TPOに応じた使い方も大切にしてます。

たとえばディナーでは食事を邪魔しない柔らかな香りを選ぶなど、

香りを通して五感を心地よく研ぎ澄ましているのです。

 

 

現代の私たちにとっても、香りは日常を豊かにする魔法のような存在です。

リラックス効果のあるアロマは心身を癒し、爽やかな香りは気分をリフレッシュさせてくれます。

その瞬間にふさわしい香りを取り入れることで、

心は解きほぐされ、感覚は澄み渡り、日常の中にある小さな幸せに気づけるようになります。

香りをまとうことは、単なる身だしなみ以上の意味をもち、自分を大切にする時間をもたらしてくれます。

五感の一つである嗅覚いわゆる『香り』は、時空を超えて過去と未来をつなぐメッセージであり、

同時に五感を研ぎ澄ます鍵でもあります。

懐かしい思い出を呼び覚まし、未来へ進む私を励まし、そしてという瞬間をより豊かに彩ってくれる

――香りは、私たちの生き方を美しく整えてくれる静かな魔法なのかもしれません。

 

*私たち人間の脳は、

理想的な一端を司る 大脳新皮質と本能的な一端を司る 大脳辺緑系のふたつの部位に分けられいます。

私たちの感性である五感は 大脳新皮質を経て 大脳辺緑系に送られますが、

唯一嗅覚だけが、

ダイレクトに 大脳辺緑系へと届けられ直接脳に働きかけ感情や記憶に強く影響を与えます。

だからこそ、香りは、意識せずに過去の思い出や感情を呼び覚ますことができるのかもしれません。

鈴木 三月 Yayoi Suzuki

東京都出身。 
パリソルボンヌ大学、Institute Catholique大学短期留学後、
パリプレタポルテ・オートクチュール協会日本事務所入社。
その後(株)エルカ入社KENZOのレディースPR担当として働く。
1991年 日本におけるアタッシェ・ドゥ・プレスの先駆けとして(株)パザパを設立。
ヨーロッパのファッションブランド
のPRを主に手掛けるとともに、髙田賢三氏本人からの依頼によりKENZO PARISの日本におけるブランドPR及び髙田賢三氏本人のパーソナルマネージメントをスタート。
又、その後㈱パザパの業務は、ファッションに留まらず、美容・レストラン等衣食住を中心とした業務へと活動の幅を広げる。 
2000年 髙田賢三氏の共同経営者として(株)KENZO TAKADAを日本に設立。 
2011年(株)パザパを、(株)セ・シュエットに社名変更(パザパはPR事業部として存続)。
2013年 調理師免許取得後、フードアドバイザーの仕事をスタート。
各種イベントにおけるケータリング等開始。
2014年よりWEB SITE 『Minimalize+plus』でレシピを公開。
2020年10月、SHOP CHANNELにて自身のウィメンズのブランド・ミニマライズ+プラスをスタート
2023年2月 「髙田賢三と私」を出版。                                                著書を出版後、髙田賢三氏のご功績とお人柄を多くの方に伝える為、又次世代を担う若者及びアーティストの方々に向けて講演活動やラジオ出演をスタート。
WEB SITE Minimalize+Plus https://minimalize-plus.tokyo/
著書『髙田賢三と私』 https://bookpub.jiji.com/smp/book/b621530.html
Minimalize+plus/SHOP CHANNEL https://onl.bz/QeNN3vR
Instagram https://www.instagram.com/yayoi_suzuki_/?hl=ja
FB https://www.facebook.com/yayoi.suzuki.146
X https://x.com/yayoisuzuki
【講演会】
姫路市主催・姫路城世界遺産登録30周年記念事業/公益財団法人神戸ファッション協会主催ファッションスペシャルステージ/名古屋音楽大学ヴォーカルアカデミー2024/たまがわLOOP世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三/文化服装学院 世界に誇る日本人デザイナー髙田賢三の偉業/アクリエひめじマダムバタフライ・衣裳に秘めた想い 髙田賢三/実践女子大学・駒沢大学「アタッシェ・ド・プレスの視線」
【ラジオ出演】
渋谷のラジオにゲストに2回出演
https://note.com/shiburadi/n/n7e237019e8be

渋谷ラジオ“ウラハラプロジェクト”第23回”賛同人トーク“』にゲスト出演
https://qr.paps.jp/SDO3M
オンラインラジオ 「渡辺喜子(YoshikoLee)の風」に計3回ゲスト出演
【前編】ファッション界に与えた影響https://stand.fm/episodes/67a5a103cc7911f191c5ec7c
【後編】プライベートについてhttps://stand.fm/episodes/67a5b229b882aa4964b92efe
【特別版】みんなが知らない裏話https://stand.fm/episodes/67aac24d0ecf095805085de0

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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