Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき美しい文字の書き方

第1回:SUIBI式ペン字レッスン《 ビジネスで好印象を与える!字から考える「自分」の見せ方 》

はじめまして!

今回から12回に渡り、大人のペン字レッスン記事を連載させていただくことになりました

書道アーティスト・萃美(すいび)と申します。

私は普段、インテリア用書道作品やロゴ等のデジタル書道作品をお作りする一方で、字にコンプレックスをかかえる大人向けに「ビジネスで好印象を与えるSUIBI式大人のペン字レッスン」を行っております。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 

「部下の前で下手な字を書きたくなくて・・・」

「ペン字の本を買ったけど挫折しました」

「名前くらいはかっこよく書きたいです」

私のレッスンを受講される理由は人それぞれですが、社会人になり年齢を重ねるほど組織で責任ある役職に就くほど人前で字を書く機会が増え、字に対する悩みも深くなる方が多いようです。大人になってから芽生える「美しく書けるようになりたい」という気持ちは単に自己満足のためというよりも、周りから常識ある人と思われたい、仕事ができそうな人と思われたい誠実な人だと思われたい、つまり「好印象をもたれたい」という気持ちがベースにあるのだと、書道家として様々な方とお話していく中で気が付きました。

そこで私のレッスンでは、お一人お一人の「書きクセ・スタイル」を可能な限り生かしつつ、「周りにどのような印象を持たれたいか」を伺うことによってSUIBI式独自で作り上げた3パターンの書体から適したものをお選びし、お名前などのお手本を作成・指導しています。

第1回目の今回は、

《 ビジネスで好印象を与える!字から考える「自分」の見せ方 》

についてお話します。字にはその人の心が出ます。字が小さい人はどこか自信のない人。筆圧が強く字が濃い人は、意志が強い人や頑固な人。独自の崩し方で書く人は、アーティスティックな人やセカセカしている人。

「字を見るとその人の性格がわかる」とも言われていることから、「人にこう見られたいから、このような字を書けるようになろう!」と、逆の視点から字の書き方やペン選びについて考える、新たなペン字レッスン法をお伝えします。

第1回では「周りからどう見られたいか」をもとに「どのような字を書くか」について考えることができる点をご理解してくださればOKです!

***

こちらをご覧ください。

 

こちらはSUIBI式でご紹介している、ビジネス上で役立つ3パターンの書体です。

点画の書き方はそこまで差がないように見えますが、全体でみると、それぞれの「感謝」から受ける印象はずいぶん違うことと思います。

一番左の「誠実書体」は、誠実な人、几帳面な人と思われたい方に特におすすめしています。3パターンの中で一番オーソドックスで、性別や職業、役職などにかかわらず、どなたにもおすすめできる書体です。

真ん中の「温厚書体」は、穏やかで協調性がある人、優しい人と思われたい方におすすめしており、3パターンの中で一番女性的な書体といえます。

控え目な印象を与えるため、縁の下の力持ち、のような立場が好きな方におすすめしています。経営者の方や管理職の方にはあまりおすすめしていません。

一番右「勇猛書体」は、勇ましさや強い決断力があると思われたい方におすすめしています。

3パターンの中で最も男性的な書体で、「前へ前へ進んでいく姿勢」「戦で絶対勝つ」という強さやリーダーシップを前面に出すイメージでこの書体を作りました。

起業家、経営者の方、スポーツ選手、組織で中心人物になっている方などにおすすめです。

次に、生徒さんの字を見てみましょう。

レッスン前は右下がりでやや丸みを帯びた字でした。

優しそうな、かわいらしい印象を受けます。

「誠実書体」でレッスンした後は、右上がりでキリっと整ったクールな字になりました。

Before / Afterでは、字から受ける印象は全く違います。

 

こちらの生徒さんはお母様が書道の先生だったそうで、レッスン前からすでに筆脈を感じられる字を書かれていました。生徒さんのお仕事上「勇猛書体」でレッスンし、力強さと大人の品格が調和した、美しい字になりました。

いかがですか?

レッスンのBefore / Afterを比較すると、字から受ける印象はガラッと変わったことでしょう。

ご自身の字は、周りからどのような印象を持たれているのか気になりますよね?

***

それではここで、各書体のポイントをお伝えします。

現時点では、3パターンの中からお好きな書体を選び、「おススメのボールペン」を使用してみるだけOKです!残りの11回で、(a) ~ (e)を含めた美文字のコツを丁寧にお伝えしますのでご安心を!

① 誠実書体

(a) 「トン」「ハネ」「はらい」は特に丁寧に書く

(b)  字の濃さは、薄くなりすぎないよう気をつける

(c)  字が小さくなりすぎないよう気をつける

(d)  字全体を10度程の右上がりに書く

(e)  おススメのボールペン:SARASA dry 0.4mm または ジェットストリーム 0.5mm

☆  こんな方におすすめ:誠実、几帳面に見られたい方

 

② 温厚書体

(a)  「トン」「ハネ」「はらい」は控えめに書く

(b)  字の濃さは、濃くなりすぎないように気を付ける

(c)  字と字、偏と旁など詰めすぎず、ゆったりと余白をもたせながら書く

(d)  字全体の角度をつけすぎないよう5度程のゆるい右上がりに書く

(e)  おススメのボールペン:ジェットストリーム 0.38mm

☆  こんな方におすすめ:穏やか、協調性がある、優しい人と思われたい方

 

③ 勇猛書体

(a)  「トン」「ハネ」「はらい」をやや大げさに書く

(b)  太い線、濃い線になるよう心がける

(c)  字全体を大きく書く

(d)  字と字の間を詰め気味に書く

(e)  おススメのボールペン:SARASA dry 0.7mm

☆  こんな方におすすめ:勇ましさと強い決断力があると思われたい方

 

第1回では「周りからどう見られたいか」をもとに「どのような字を書くか」について考えることができる点をご理解いただければOKです!

次回は《文房具屋さんで困らない!ボールペンの選び方》についてお伝えします。すぐに役立つ情報なので、ぜひお楽しみに!

萃美

 

【今月の萃美作品 ~ “生”】

現在ニューヨークのギャラリーにて展示・販売中の作品「生」。

人生には良い日もあればそう思えない日もある。

でも、どんな日であろうとも、後で振り返ってみた時に

「力強く生きた!」と思えるような毎日にしたい。

その決意をこの一字に込めました。

皆さんの「生」が力強く、キラキラ輝くものとなりますように・・・

北海道帯広市出身。上智大学経済学部卒。6歳から書を学ぶ。

大学卒業後単身渡米し、四大監査法人ニューヨーク本社にて会計監査人として勤務。交通事故がきっかけで人生を見つめ直し帰国。現在は書道アーティストとして国内外に書道サービスを提供しながら、普段書と接する機会の少ない人にも響くようなアートとしての書や、書の新たな可能性を追求し、その魅力を発信し続けている。株式会社スカイスタジオ代表取締役。3児の母。

電話番号:03-5843-8915

FAX:020-4664-2230

メールアドレス:info@iamsuibi.com

ホームページ:http://www.iamsuibi.com

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ