紳士が知るべき魅惑のモロッコ
⑥民族と宗教
みなさん、Salam Alaykum!
第6回『紳士が知るべき魅惑のモロッコ』では、モロッコにおける民族と宗教についてお話します。
民族と言語は切っても切れない関係があります。また、モロッコで快適に過ごすには宗教についても理解しておくことが非常に重要となります。ポイントだけでも掴んで頂ければ、快適な旅が送れることでしょう。
モロッコには大きくわけて、2つの民族があります。その比率はアラブ人が65%、ベルベル人が30%と言われています。
一口にベルベル人と言っても、あらゆる地域に散りばめられ、彼らはそれぞれの地域毎に発達した独自の民族言語『ベルベル語』を話します。おもしろいことに、北方で話されるベルベル語と南方で話されるベルベル語は別物で、お互いに理解するのは難しいのです。
そんなモロッコの第一公用語はアラビア語とされています。そのため、ベルベル人であっても、ほとんどの方がアラビア語を話すことができます。(※ただし、年配の方や田舎ではその地域に根付いた民族言語しか通じないことがあります。)
第二公用語はフランス語とされており、大学の授業はフランス語で行われています。
また、北の方へ行くと、スペインの影響を受けてフランス語ではなくスペイン語をメインに話している地域もあります。カフェで英語で質問したところ、スペイン語で返答されるという経験をしました。北方へ行く時は簡単なスペイン語を調べておくと良いかもしれません。
このように、モロッコでは英語は主要言語ではありません。観光地のほとんどのレストランやホテルでは通じますが、ローカルエリアやローカル向けのレストランでは英語が通じないことも多いので気を付けましょう。
2️⃣宗教
モロッコではイスラム教が国教として定められています。そのため、国民のほぼ全員がイスラム教徒です。ごく僅か他教徒も存在しますが、そのほとんどが外国人で構成されています。
モロッコで過ごすには、トラブル回避のためにも、イスラム教について知っておく必要があります。
まずは食事。『豚肉とアルコールの摂取が禁忌』とされています。そのため、基本的に国内に豚肉は存在しません。ソーセージはありますが、その原材料は豚肉ではありません。一部の観光客向けのバーでは、アルコールを飲むことができるようですが、公衆の面前でのアルコール摂取はマナーとして避けるべきです。スーパー等でのアルコール購入も可能ですが、その管理は徹底されており、入口が通常の場所とは分かれており、また購入の際にパスポートの提示を求められます。
次に女性の服装について。イスラム教徒の女性は肌の露出が良くないとされ、夏でも長袖長スカートを着ています。体のラインがハッキリと出るものも良くないとされており、髪の毛も家族以外に見せるのはあまり良くないようです。家庭や年齢によって差はあるようですが、こういった面から写真を嫌う人もいます。許可なく人物撮影するのはお勧めできません。また、女性観光客に対して強要されているわけではありませんが、マナーとして可能な限り露出の激しい服装は避けた方が良いでしょう。(露出=誘惑と捉えられるケースもあるようです。)
またイスラム教には年に一度、ラマダンと呼ばれる禁欲を行う時期があります。期間は約1ヶ月。期間中は日中の飲食が禁止され、禁煙も強いられます。そのため、街は朝食の準備を始める夕方頃から活気づきます。日中は閉まっているレストランも多く、人通りも少ないです。また禁欲の影響か、ケンカをする人も散見されました。
過ごしやすさや治安の面でも、可能であればラマダンの時期は避けた方が良いかもしれません。
以上、第6回『紳士が知るべき魅惑のモロッコ』では、モロッコにおける民族と宗教についてお話しました。快適な旅を送るための一助となれば幸いです。
ではまた次回お会いしましょう!
MIDORI
兵庫県出身。神戸女学院大学卒業。
現在は企業に勤める傍ら、アクセサリー作家として活動中。
大学卒業後は某メガバンクに勤務。プライベートでは海外旅行に魅了され、休みを見つけては旅立っていた。気づけば渡航歴25ヵ国!
その25ヵ国目のモロッコで運命の出逢いがあり、第二の故郷となる。
『日本とモロッコの架け橋』になるべく、モロッコの魅力を伝えようと一念発起し『Beauty Japan関西大会2020』にチャレンジ。
関西大会では本執筆権利を得る『男子専科賞』を受賞。
モロッコの魅力をご紹介しつつ、他ではあまり知ることのない経験談も交えてお伝えします。