Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき日本の逸品

【老舗宿「灰屋」の誇り】若女将の、温もりと寛ぎのおもてなし

灰屋02
創業当時のままに再現された玄関。中には政治家や名士等が集った歴史も垣間見られる。伝統旅館ながら、故郷へ帰ったような寛ぎが味わえる。

灰屋01
宮様も泊まられた特別室「紫雲」。宮大工が手がけた格天井や手彫りの欄間等の品格ある部屋で、もてなされる食事は月毎に変わる美味三昧。4代目となる若女将のおもてなしも心地よい。

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<130年の伝統の魅力>
“ 関西の奥座敷 ”  と言われる福井屈指の温泉地、あわら温泉。灌漑用水として井戸を掘ったところ温泉が出たという、のどかな田園の温泉地だ。
開湯は一八八三(明治16)年。灰屋は翌年、一八八四(明治17)年の創業。
あわらの大火(昭和31年)で唯一焼けずに残った宿として、あわら温泉の歴史に名を残している名旅館だ。

ナトリウム塩化物泉の温泉は湯冷めしにくく、肌はしっとりツヤツヤ。女性の人気も高い。
大浴場には露天や寝湯、いつでも入れる当地唯一の岩盤浴も完備。
ゴルフの後や酒をたしなんだ翌朝にも最適だ。

贅を尽くした15室の離れ   “ 松風庵 ”  の一部は、初代が木材を厳選して建てた自慢の数寄屋造り。
天然露天風呂が備わった部屋もあり、部屋毎に趣が異なる気取りのない居心地のよさに、毎回違う部屋を楽しむリピーターも少なくないという。
どの部屋にも面する和風の庭は手入れが行き届き、木々や花の間を通り抜ける風が心地よい。
四季のうつろいを肌で感じるひとときだ。これからの季節は夕涼みに縁側で一献もよし。
ルームサービスで頼める酒も揃っている。

<美味と、奥ゆかしいおもてなし>
三国湊をはじめとする福井の港に揚がる海の幸、山の幸、近在で採れる野菜にフルーツをはじめ、基本となる出汁は添加物を加えない等、素材を際立たせる献立が好評だ。

漬け物も一つひとつ手作り。
さっぱりと食べられるひと工夫が随所にみられ、食も酒も美味しくいただける。地元の農家で採れるコシヒカリも自慢の一品。目の前で焼く魚をはじめ、朝食も地の物が並ぶ。

夜は唎酒師、若女将の「唎き酒セット」が見逃せない。
夏は吟醸を冷やしたもの等、蔵元が異なるタイプの違う3種の地酒に舌鼓。へしこや塩雲丹といった珍味も豊富な福井だけに、酒も肴も進みそうだ。

旅館でありながら、ホテルのような快適性を大事にする灰屋では、お客さまの気持ちに寄り添いながら、奥ゆかしく察する若女将のおもてなしの心が周知されている。

バリアフリーを目指す館内は夫婦で、ときには親や子供たちを連れて行きたくなる寛ぎの空間。若女将の信条が光る、歴史と現代感覚が両立する癒しの宿だ。

伝統旅館のぬくもり 灰屋
〒910-4104 福井県あわら市温泉2-205
☎ 0776-78-5555
http://www.haiya.jp

■福井編
神に供え天皇に捧げる食物  〝 御贄(みにえ)“  を供する  “ 御食國(みけつくに)”  であったのをはじめ、江戸から明治にかけて活躍した北前船の寄港地(三国湊と敦賀港)があるなど、奈良京都に近い要衝であり、多くの文化や歴史を積み重ねてきた福井。
現在は幸福度N0.1の県として知られ、日本の原風景が残る当地では風土や歴史、人々が育んできた数々の逸品がある。
代々受け継がれてきた匠の技。職人気質が物語るこだわり。

伝統を守りながら、日々研鑽する男たちの逸品をご紹介。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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