Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士が知るべき日本の逸品

【福井の地酒】伊藤酒造が造り出すキレのいい酒

福井の地酒01
“ 越の鷹 ”  辛口純米吟醸は、地元のよき素材を最大限に生かす酒造りから生まれた渾身の一本。
最近は酒に長けた女性のファンも多い。

福井の地酒02
こだわりの酒造りを極められるのが蔵元杜氏の真骨頂。目が届く範囲で、生一本な仕事に徹している。

********

近在する福井藩の菩提寺である大安禅寺。
鷹狩りに訪れた殿様へ手造りの酒を供したところ「越の国へ羽ばたく鷹の酒じゃ」という話が残る。“ 越の鷹 ”  はそんな言い伝えから名付けられた酒だ。

殿様を接待したと言われる庄屋、伊藤家の17代目、酒造りを家業としてからは8代目。
伊藤抵治(やすはる)氏は蔵元であると同時に杜氏でもある。
代々の酒造業も、自身も順風満帆ではなかったときもあったが、県内の蔵元の社長がやる気を引き出してくれて一念発起。
蔵のイメージとなるシャープな純米吟醸を造り始めた。

まず日本三大杜氏集団の一つである南部流と、北陸最大の能登流の話を現場で聞き、やれることからスタートしたのが10年前。

米は福井が誇る五百万石。酵母も福井で開発されたものを使い、水に恵まれた土地でじっくり取り組んでいる。
「米の性質の見極めが大事」と語る姿はストイックな職人そのもの。
水に溶けやすい米、溶けにくい米の性質を読み取りながら、自然相手のものを技術でカバーしていく。

後味がキレイなやや淡麗。やわらかい口あたりに、ほのかな吟醸香の ” 越の鷹 ” 辛口純米吟醸は、冷やすと白ワインのような味わいに。ぬる燗にするとまろやかさが広がってくる。

古くからの家業を「継ぐつもりはなかった」という伊藤氏だが、フルーティでも辛口の酒も造り出し、地元ガラス作家とのコラボレーションも。
一人何役もこなしながら挑戦していく日々が続いている。

伊藤酒造
〒910-3113 福井県福井市江上町44-65
☎0776-59-1018
http://www.koshinotaka.jp 

■福井編
神に供え天皇に捧げる食物  〝 御贄(みにえ)“  を供する  “ 御食國(みけつくに)”  であったのをはじめ、江戸から明治にかけて活躍した北前船の寄港地(三国湊と敦賀港)があるなど、奈良京都に近い要衝であり、多くの文化や歴史を積み重ねてきた福井。
現在は幸福度N0.1の県として知られ、日本の原風景が残る当地では風土や歴史、人々が育んできた数々の逸品がある。
代々受け継がれてきた匠の技。職人気質が物語るこだわり。

伝統を守りながら、日々研鑽する男たちの逸品をご紹介。

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ