Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

魅力ある紳士達の出会い

第6回「贈り物の心得とは」

冬は、贈り物シーズンと言ってもいいかもしれない。

親しい人への贈り物選びは気も使うが、贈る側にとっても浮き立つ時間の筈だ。

第一に人に何かを贈れるというのは経済的にも健康的にも恵まれている証左であって、

贈り物とは相手への感謝であると同時に自らの境遇への感謝の印なのだ。

まず、そのことを肝に銘ずるべきである。

ところで、異性へのプレゼントとなると慣れない男性にとっては一苦労かもしれない。

まず妻や恋人など、インティメートな関係にある女性への贈り物の心得から話そう。

誕生日やクリスマスなど何かの記念日に当然ながらプレゼントを用意するだろう。

長年のルーティンであったとしても贈られた方は嬉しくないはずはない。

日頃から欲しいものを聞かされたり、リクエストされている、なんてこともあるかもしれない。

たとえリクエストがなくても、常日頃から彼女の趣味や欲しがっているものに

注意深くあるべきである。

というか、心を寄せている人に常に関心を払うことが愛情の証なのである。

それを贈り物を通して実証してみせるというわけだ。

新しくゴルフを始めた彼女にはゴルフウエアを。

最近彼女が髪を切ったのであれば、くっきりと現れたフェイスラインを際立たせる

素敵な帽子を贈るというテもある。

女性への贈り物慣れしている男性は日頃から部下の女性や女友達から情報収集をしていて

女性の趣味趣向に精通している人が多い。

今、何が女性にウケて、何が流行っているのか、常に把握しておくべきである。

たまに女性向けのラグジュアリー雑誌をめくってみることもお勧めしたい。

それこそが、男の甲斐性なのである。

究極の女性へのプレゼントはやはり宝石だ。

朽ちないし永遠性がある。

常に身につけてもらえるし、何よりも価値の高さという点において宝石に勝るものはない。

その昔、婚約指輪は給料の3か月分というCMのキャッチコピーが流行ったことがある。

給料の3分の1ではなく3か月分というところがミソである。

いうなればその男が自分のためにどれだけ血と汗を流せるか。

その証明こそが贈り物なのである。

だから「この女を一生離したくない」と思ったら迷わず給料3か月分以上の

宝石を贈るべきである。

逃げられたら損をするなどとケチなことは考えてはいけない。

高い代償を払っても成就しないことだって当然あるわけで、

それは長い人生における男を張るための授業料と割り切るべきである。

さらに言えば、記念日だけに贈り物を贈る男性は松竹梅でいえば

竹クラスの男である。

何も贈ってくれない梅の男には勝るが松には勝てない。

では松クラスの男における贈り物の心得とはなんだろう。

それは特別の日でなくてもさりげなく贈れる心意気を持つことである。

「君に贈らずにはいられなくて思わず買ってしまったけどつけてもらえるかな?」

こういいながら渡されたペンダントを受け取った時の喜びはひとしおだ。

愛する彼の心の中に常に自分がいるのだという歓びを感じない女性はいないはずである。

こんなふうにインティメントな関係にある女性に対してはTPOや金額に縛られることなく

惜しみなく与えるべきである。

では、まだ恋人関係にもない少し距離間のある女性に対しての贈り物の心得とは?

一にも二にも親密すぎる贈り物はタブーである。

恋人には高価な宝石を贈れと言ったが、恋愛関係にもない男性からいきなり

宝石の類いを贈られたら受け取る側はたじろぐ。

負担に感じるし、もっと厳しい言い方をすれば気味が悪い。

想いの押しつけは勘弁願いたいと思う。

受け取ってもらえないことだってあるかもしれない。

恋人ではないが、気がある女性にはライトでセンスのいい、さらに言えば

謎めいたものを贈るべきである。

とにかく押しつけがましくないものに限るのだ。

例えばデパートで売っているような類いではないセンスの光る傘。

傘は日ごろ使ってもらえるが時に乗り物に置き忘れられる運命にある。

そういったはかなさがいいのである。

高価なものであれば、銀製のペンやピルケース。

日頃持ち歩くが宝石ほど密接に身につけてもらえないはかなさがある。

宝石や香水はいうなれば贈った側の魂胆を読み取られやすい。

一体どんな思惑で贈ってくれたのか、相手を悩ませるくらいの謎めいたものをお勧めしたい。

最後に花という贈り物について。

老若男女、時を選ばず花を気軽に贈れる男性は素敵だ。

故・八代亜紀さんの歌に「ブーケ」という洒落た曲がある。

「1人暮らしに慣れたのに

愛を気にせず生きたのに

罪な心が届けられ 

わたし女を思い出す

こんなキザなことはあなたに違いない

郵便受けにブーケをさして帰るなんて」

別れた相手にさえ気まぐれに花を贈れるようになったら

あなたは間違いなく男の上級者である。

南 美希子 Mikiko Minami

(元テレビ朝日アナウンサー・エッセイスト・司会者・コメンテーター)

東京生まれ

東京女学館から聖心女子大学国語国文学科へ

大学3年生の時にテレビ朝日アナウンサー試験に合格。

3年終了後、1977年テレビ朝日アナウンス部に入社。

198612月に独立。

以降テレビ・ラジオ・執筆・講演・司会などで活躍中。

日本抗加齢協会公認のアンチエイジングアンバサダー。

美容・抗加齢に関しての知識も豊富。

東京理科大学オープンカレッジで話し方の講座を持つ。

https://mikikominami.net

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ