魅力ある紳士達の出会い
第9回「手は饒舌に語る」
髪に乱れはないか。
髭の剃り残しはないか。
ワイシャツの襟元・袖口は汚れていないか。
外出時のビジネスマンの主なチェックポイントは
こんなところだろうか。
世代やこだわりによってさらにチェックポイントは
増えていくはずだ。
肌や唇は荒れていないか。
ちゃんと香りを纏ったか。
服と小物と靴のトータルバランスは完璧か。
勿論、これらのチェックポイントも見逃せないが、
意外と見過ごされている箇所がある。
それは「手」である。
銀座の高級クラブのママがこんなことを言っていたのが
忘れられない。
「成功する男性って、何故か爪や手の手入れまで怠りないのよね。」
なるほど、と思った。
美は細部に宿るものである。
美を気遣いや心意気に置き換えても構わない。
私自身、カフェなどで男性と対面で話をしている時、
必ずその人の手に目がいく。
ジャケットとネクタイとポケットチーフが見事な色のハーモニーを
折りなし、思わずベストコーディネーター賞を贈りたいくらいの
装いだと感心していたのに、
ふと手に視線を落とすと、全体が白く粉を吹いたように乾燥し、
爪回りはささくれだらけ。
暫く切っていない爪には垢のようなものが溜まっている。
「あー!違ってた!残念賞だった!」と心の中で密かに呟くのである。
女性が見ていないようで見ているのが、男性の手なのである。
ガタイはいいのに、思いがけず指がしなやかで繊細であったり
反対にスレンダーな体躯でありながら、
手だけが何故か逞しく、男っぽさを醸し出していたり
こんな風な、アンバランスさに言い知れぬ色気を感じるのである。
たとえアンバランスでなくても、手の綺麗な男性は十難隠すといっても
過言ではないかもしれない。
指先にまで神経を配れる男性は、何事においても気の回し方が
完璧なのである。
仕事においても、人間関係においても、である。
そう考えると、銀座のママの「成功するのは手の手入れの行き届いた男性」と
いう名言にも納得がゆくのである。
高級理髪店の中には、
手のマッサージや爪磨きなどのメニューを用意しているところがある。
自宅での手のお手入れグッズを購入する美容男子もいると聞く。
いずれにせよ、普段気をかけなかった手の手入れをしてみよう。
背筋がピッと伸び、自信が漲ってくるはずである。
南 美希子 Mikiko Minami
(元テレビ朝日アナウンサー・エッセイスト・司会者・コメンテーター)
東京生まれ
東京女学館から聖心女子大学国語国文学科へ
大学3年生の時にテレビ朝日アナウンサー試験に合格。
3年終了後、1977年テレビ朝日アナウンス部に入社。
1986年12月に独立。
以降テレビ・ラジオ・執筆・講演・司会などで活躍中。
日本抗加齢協会公認のアンチエイジングアンバサダー。
美容・抗加齢に関しての知識も豊富。
東京理科大学オープンカレッジで話し方の講座を持つ。
https://mikikominami.net















