Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

魅力ある紳士達の出会い

第15回「男たちよ、臆せず恋をしよう」

 

若い人の恋愛離れ・結婚離れが進んでいるという。

本当なのだろうか。

恋愛は幾つになってもできるとはいうものの、

人生における黄金の果実である恋愛を、

これまた人生の黄金期である青年期に熱望しないというのは

なんとも勿体なく信じがたい気がする。

ところで、こんな調査結果がある。

まだ恋愛至上主義が世の中の趨勢だった1992年と

近年の2021年との結婚に対する前向き度の違いを調べてみたそうだ。

それによると、20代~30代の独身男性においては結婚前向き度が40%台半ば。

 

 

同じく20代~30代の独身女性においては約50%と、

何と若い人の結婚の意志は1992年と2021年に殆ど差はなく、

結局30年以上、結婚への熱意は変わっていないのである。

つまり現代の若者にも「健全な」結婚願望がちゃんと息づいているのだ。

しかしながら、婚姻数は減少している。

しかも特に男性に顕著なのは、年収500円未満の層が

結婚したいにもかかわらず未婚のままなのだというのだ。

思えばここ30年近く、平均的な若年層の所得は全く上がらず、

税金や社会保険料などの国民負担率は上がる一方で手取りが少ない上に、

昨今の物価上昇で結婚どころか日々の生活を維持するだけで

目一杯というのが現実だ。

ましてや家庭を築き、子供を作るなどというのは夢のまた夢。

そう考えてしまっても不思議はない。

テレビの街頭インタビューで「子供は究極のぜいたく品」と答えていた

若者がいたけれど、それも納得できるような昨今の経済状況だ。

 

 

少子化という国家が抱える大きな課題は当然克服すべきだが、

個人のレベルにおいていえば、第一に経済的裏づけ、さらには親になるための覚悟など

夫婦が心から望む環境で子供を迎える、つまり作るのが最も

自然で幸せなことだと思う。

義務であってはならないし、無計画な出産も悲劇となりうる。

一方で、子供を望んでもできないということだってある。

昔から「子供は天からの授かりもの」と言われるように、

望んだ夫婦が子供を授かるのが最も幸せな形ではないだろうか。

勿論子供を持たない選択があっても当然だし、尊重されるべきだと思う。

しかし、恋愛は違う。

勿論先立つもの(お金)がなければ、踏み込みにくいのも確かだ。

しかし、誰かを好きになって四六時中一緒にいたいと思う気持ちは

あらゆるハンディキャップを押し流すくらい強いものではないだろうか。

女性の中には高価なプレゼントや豪華な食事、ひいては海外旅行に連れて行って

くれない彼氏なんてお呼びではないという輩がいるのも確かだ。

しかし、自分の現在の経済力ではお金をかけたデートなど実現不可能。

もし相手の条件が贅沢をさせてくれることであったならば、

どんなに好みのタイプであってもそこは無理をせず、

ご縁がなかったものと諦めるべきである。

付帯状況ではなく、ありのままの自分を愛してくれる異性を探すべきだし、

そのためにはどんな時も自分磨きは怠ってはならないのである。

恋愛には時の経済情勢が反映されるものだ。

半世紀近く昔のことになるが、70年代にかぐや姫というバンドの

「神田川」という歌が大ヒットした。

貧しい若い二人が3畳1間のアパートで同棲生活をし、夜は一緒に銭湯に行く。

洗面器の中でカタカタ石鹸が鳴り、キャベツばかりを食べる生活。

そんな貧しさの中にあっても、愛し合う二人の生活は幸せだったという内容の歌だ。

 

 

その後到来したバブルの時代には、年収の何倍もの指輪を贈る高学歴・高収入の

男性がもてはやされた。

しかし、ご存じのように日本の経済力は残念ながら暗転した。

GDPは世界第4位に転落。

早晩5位、6位になるだろうと言われている。

その影響をもろに受けた若い人々の生活はバブル時代などと比べたら

想像もつかないくらい苦しいものである。

むしろ70年代の「神田川」に近いといってもいいのかもしれない。

今さら3畳一間ではないかもしれないが、要するにたとえ

お金がかけられないささやかな生活の中にあっても

愛する人がいて愛されることの喜びを見出すべきだ。

恋愛なんて幾つになってもできるというが、

若いうちに恋愛を経験していない人間というのは

必要な時期に「恋愛神経」を鍛えるチャンスを失っているわけであって、

そのまま恋愛の何たるかを知らぬまま年を重ねれば

異性の気持ちを推し量ることもできず、ひたすら敬遠されるのがオチである。

スノーボードを若いうちに習得しておかないと、一生スノボができないように、

若いうちに恋愛を経験しておかなければ、

一生恋愛のチャンスなど巡ってこないのである。

付帯状況を勘案することなく恋愛に飛び込むべきである。

恋愛がもたらす人生の輝きは成功さえ呼び寄せてくれるかもしれないのだ。

 

南 美希子 Mikiko Minami

(元テレビ朝日アナウンサー・エッセイスト・司会者・コメンテーター)

東京生まれ

東京女学館から聖心女子大学国語国文学科へ

大学3年生の時にテレビ朝日アナウンサー試験に合格。

3年終了後、1977年テレビ朝日アナウンス部に入社。

198612月に独立。

以降テレビ・ラジオ・執筆・講演・司会などで活躍中。

日本抗加齢協会公認のアンチエイジングアンバサダー。

美容・抗加齢に関しての知識も豊富。

東京理科大学オープンカレッジで話し方の講座を持つ。

https://mikikominami.net

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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