紳士のための焼酎入門
第14回「どんなものから焼酎が造られるのか?」
5月のゴールデンウィークが終わったところです。
このあとは7月の海の日まで祭日がないんですよね。
なんだかちょっと気分が下がります…。
おまけにこれから梅雨の時期にも入っていきますよね。
なんか6月にうまく新しい祭日とかできないもんなんでしょうか。
それはさておき今回はまた少し基本的なことに戻って解説していきましょう。
焼酎と言えば、芋や米・麦・黒糖などいろいろな原料から造られています。
他にもゴマやしそなど、変わった原料の焼酎が結構出ていますよね。
一体どんなものが焼酎になることができるのでしょうか?
どんなルールがあるんでしょうか?
今一度焼酎の定義から紐解いていきましょう。
焼酎とは…蒸留酒の中でウィスキー類やスピリッツ類に該当しないもの。
第1回でお話しした通りです。
ざっくりと言えばそういうことでしたよね。
では原料は何だってOKということになりますよね。
しかしそうはいきません。
特に本格焼酎ということに関しては、きっちりと決められています。
焼酎のルールブックとも言える酒税法には次のように記載があります。
穀類又はいも類、これらのこうじ、水及び政令で定める物品を原料として…以下略。
政令で定める物品?
それは今度は財務省令として国税庁長官が指定している49品を言います。
なんだか法令の中でたらい回しにされてる気分です。
その49品を以下に並べておきましょう。
…なんだか正体不明なものがいくつか混ざっていますね。
一応ワタクシの経営する焼酎Barにおいてあるものにはピンクの印をつけておきました。
飲んでみたいという方は是非お店の方に足を運んでやってください(宣伝!?)
正体不明品もいくつか簡単に解説しておきましょう。
おたねにんじん…高麗人参のことです。
つのまた…千葉県辺りを産地とする海藻の一種。
つるつる…表面がツルツルしている海藻の一種。
ホエイパウダー…チーズの製造工程で出る乳清を乾燥させたもの。
ほていあおい…南アメリカ原産の水草の一種。
まてばしいの実…食べられるどんぐり。まてばしい自体はブナ科の常緑高木。
さてここまで焼酎の原料についての決まり事について解説してきました。
…が、ここまでに出てきた原料以外で焼酎は造れないのでしょうか?
また面倒なことですがそういうわけでもありません。
ただ「本格焼酎」と名乗れないことになります。
では何と呼べばよいのか?
これは「単式蒸留しょうちゅう」とのみ呼べることとなります。
ややこしい話ですが、第2回で「乙類焼酎」についてお話をしました。
その中で前述の2つの名前をお出ししています。
改めて整理すると、「乙類焼酎」は「単式蒸留しょうちゅう」と名前を変え、
その中でも条件を満たしているものだけが「本格焼酎」と呼べるということです。
条件については原料以外にも少しあるので、そこはまたの機会に…。
さて今回は基本的なことに触れた割には少しややこしい話になってしまいました。
まあワタクシも皆さんと一緒に少しずつでも知識を広げていければと思います。
あともっともっと説明も上手にならなくては…です。
それでは今回もまた1つ紹介しておきます。
テーマにそって、とっても珍しい「単式蒸留しょうちゅう」です。
* 今回のおすすめ焼酎 *
「かに焼酎」
かに焼酎・25度・鳥取県・梅津酒造
鳥取県の境港市でしか買えない、とても珍しい限定焼酎です。
境港と言えば「ゲゲゲの鬼太郎」の街として有名ですので、観光で行ったら是非GETして下さい。
山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。
株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。
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