Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第30回「痛風でも焼酎なら飲んでいいって本当?」

皆さん、大変ご無沙汰しておりました。

ワタクシ事ではあるんですが、焼酎専門の新しいお店を作ってました。

9月1日にオープンして、ちょっとバタバタとしていまして…。

やっと少し落ち着いてきたので、またこのコラムを再開していきたいと思います。

皆さん、改めましてよろしくお願い致します。

 

さて今回のテーマは「痛風と焼酎」です。

お店をやっていて感じたことなんですが、痛風になって焼酎を飲みだしたという人が割と多いんですよね。

元々ビール党や日本酒党だった人が焼酎に変えているという事実。

これは特に焼酎ブームが落ち着いた頃から増えてきているように感じます。

焼酎について考察する前に、まずは痛風の実態から見ていきましょう。

 

今や日本には100万人を超える痛風の患者がいるとされています。

また痛風予備軍と呼ばれる人たちは1000万人いるとも言われています。

そしてそれらの9割が男性とされています。

実は先日、ワタクシも左手の甲がグローブのように腫れてしまいました。

診断結果はやはり痛風の発作とのことでした。

幸い痛風の目安となる尿酸値は正常値の範囲内には収まっていましたが…。

それでも眠れないほどの激痛にのたうち回ったことは鮮明に思い出されます。

 

さて痛風はどのようなメカニズムで発症するのかを簡単に解説しましょう。

ワタクシもその時に初めて詳しく教えてもらいましたので、それをできるだけそのまま。

先程も書きましたが、痛風という病気には尿酸値の高さが大きく関わってきます。

尿酸とは、生物情報の伝達活動や体内のエネルギー活動の後に出る老廃物の事です。

通常は一時的に体内に蓄積された後で、排泄物として体外に排出されます。

それが何らかの原因で体内に溜まってしまい、血液中で結晶化して発作が起きます。

これが痛風です。

 

要因は今ではいろいろと考えられているのですが、その1つがプリン体の過剰摂取です。

プリン体とは、細胞がどんどん新しく生まれ変わる際のエネルギーになるものです。

だから人間には必要不可欠なものなのですが、これを摂りすぎると厄介なことになるんです。

結果として先程出てきた尿酸の蓄積を促すことになります。

そして結晶化した尿酸が毛細血管を傷つけていくんだそうです。

だから毛細血管の多い手や足に症状が出てくるということなんです。

 

では突然ですが問題です。

それではプリン体の含有量の多いビールは減らした方が良いのか。

答えは○です。

ビールが尿酸値を著しく上昇させることは様々な研究から証明されています。

プリン体の含有量もさることながら、量を飲んでしまう飲み物であることも問題なんです。

また利尿作用でトイレの回数が増え、結果としてさらに血中尿酸値をあげてしまうことも言われています。

 

日本酒についても痛風リスクは増すと考えられます。

ビールほどではないですが、こちらもプリン体の含有量が多い飲み物です。

また日本酒はおつまみと一緒に頂くことが多く、それらがまたプリン体の宝庫となっています。

旨い酒の肴ほど、プリン体を多く含んでいるので一度調べてみるのもいいと思います。

お刺身や干物、塩辛やからすみなど…、プリン体のオンパレードです。

 

それでは本題。

痛風でも焼酎ならのんでいいって本当?

焼酎もアルコールなんでプリン体を含んでいないわけではありません。

ただ他のアルコール類に比べて少ないというのがこの「飲んでいい」という言葉の根拠となっています。

だから大量に飲むのは禁物。

晩酌で1杯って感覚で飲むくらいがいいということなんです。

 

結局のところ、痛風という病気を知って、自分で食事やアルコールをコントロールすることが大事です。

その時に焼酎という飲み物が役に立つのは事実です。

だから「焼酎だからいい」というのではいけませんね。

「焼酎なら節度を守れば」と思っておいて頂ければ、痛風とも向き合っていけると思います。

特にアルコールが日常となっている人はなおさらですよ。

 

さて今回は久しぶりにペンを取り、痛風と焼酎について考えてみました。

人生と病気は切っても切り離せないものですからね~。

健康の事ばかり考えて暮らすのもつまらないですが、健康を無視するのもこれまた…。

自分の体にも少し気を配りつつ、楽しい飲酒を心掛けましょう。

 

それでは今回のオススメ焼酎です。

今回もまたまた限定焼酎です。

人気の銘柄に新しいラインナップが仲間入りです。

ワタクシの店にも入荷しておりますので、皆様ぜひお試しください。

早い者勝ちですよ~。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

「薩州赤兎馬 甕貯蔵芋麹製焼酎使用」

芋焼酎・25度・鹿児島県・濱田酒造

従来の商品に、甘い香りと深みのある甕貯蔵の芋麹焼酎をブレンド。

華やかでフルーティーな香りと、軽快ながら香味豊かな味わいが特長の焼酎。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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