Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第39回「変わった原料というより、ちょっと面白い原料からできている焼酎を知ろう」

すっかり季節の変わり目です。

暑くなったり寒くなったりと、身体がついていきませんよね。

これも歳のせいなのでしょうか。

気持ちは若くいるつもりなんですが、やっぱり身体は正直です。

健康に気を付けながら、これからもお酒を楽しんでいきましょう。

 

さて今回のテーマは一見すると「ん?」という感じのテーマですよね。

一体どういうことだ?と。

これまでに変わった原料の焼酎については何度か取り上げてきました。

酒粕や牛乳、トマト、バラ、竹、高麗人参などなど。

かに焼酎なんてのをおすすめした回もありました。

しかし今回はそういうものとはちょっとズレた原料たちを紹介していきたいと思います。

 

今一つわかりませんよね、たぶん。

そこでこういうことだというものを1つ。

芋焼酎は世の中にいっぱいありますが、それらの中でも最近人気のもの。

それがさつまいもを焼いてから仕込んだ「焼き芋焼酎」です。

そう、こういうことです。

このように一度原料を少し加工してから仕込みに使用する焼酎がブームの頃以降に登場しています。

 

「焼き芋焼酎」はさつまいもを焼くことで独特の甘みと焦げ臭が引き立っています。

主原料的には同じさつまいもなんですが、まるで味も香りも変化しているんです。

面白いですよね。

芋焼酎でいうとさらに、干し芋焼酎やふかし芋焼酎なんてのも販売されています。

これらも個性の際立った焼酎へと進化しています。

 

他の原料ではどうでしょう。

麦焼酎にもありますよ、焼き麦焼酎。

焦がし麦焼酎などと呼ばれているものもありますが、これらもとても個性的です。

麦茶のような、麦チョコのような、そんな風味がとても魅力的です。

また他にも、麦芽焼酎や精麦歩合を上げた磨き麦焼酎などがあります。

 

また麦自体に関しても、通常の麦焼酎は大麦を使って作られています。

…が、最近では小麦、オーツ麦、ライ麦、カラス麦、もち麦などを原料としたものもあります。

またさらに進化して、小麦からパンを作ってそれを原料にしたパン焼酎なんてのもあります。

もはや何が何だかわからなくなってきますよね。

味や香りもパンとして感じていいのか、小麦として感じていいのか…って感じです。

 

続いて米焼酎のジャンルも考察していきましょう。

さすがに日本人の主食たる米。

いろいろとありますよ。

健康に気遣う方々のため(?)の、玄米焼酎や五穀米焼酎。

古代米である、赤米や黒米、緑米などを使った焼酎もあります。

おもちの原料であるもち米の焼酎も何種類も販売されています。

タイ米やベトナム米で作られているものもあります。

また玄米の逆で、精米歩合を上げた白米焼酎や吟醸米焼酎などもあります。

また精米から取れる胚芽を使った焼酎なんかも面白いですよね。

極めつけは秋田名産の「きりたんぽ焼酎」なんてのもあります。

日本人はやっぱり米!ですよね。

 

それではその他のこんなパターンの焼酎を一挙に紹介していきましょう。

ペースアップです。

(じゃなきゃ終わらない気がしてきたので…)

まず改めてもう1回、芋ってやつを振り返りましょう。

代表格のさつまいもに対して、北海道を中心にじゃがいもの焼酎が造られています。

他にも、菊芋や長芋、里芋、タロイモ、キャッサバ、ヤーコンなどがあります。

また、こんにゃく芋も芋の種類の1つです。

こんにゃく焼酎と呼ばれているものも数種類販売されています。

他にも山芋などの赤ん坊的存在である「むかご」からも焼酎が作られています。

 

その他、そばでも十割と二八があったり、わんこそばがあったりします。

栗焼酎にも焼き栗や天津甘栗に加工してからのものが売られています。

また渋皮を除いた生栗を使うのが通常ですが、渋皮ごと仕込んで作られているものもあります。

胡麻焼酎に関しても、黒胡麻や金胡麻で作られていたり、煎り胡麻で仕込んだりもします。

紫蘇焼酎も青シソ、赤シソで風味が違います。

お茶の焼酎もいろいろあったりしますね。

紅茶、緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、抹茶などなど。

こうして見てみると、焼酎ってやつは改めて種類の多い酒類ですよね~。

(意図せずダジャレになってしもうた…)

 

さて後半はダッシュで駆け抜けた今回のコラム。

でも焼酎の奥深さをまた1つ垣間見れたのではないでしょうか。

本当に焼酎は面白いお酒ですね~。

あ、水野晴郎みたいになってしまいました。

若い人には伝わりませんよね~。

 

それでは今回もおすすめの焼酎を一本紹介します。

文中にも登場した焼酎です。

個人的には一番謎めいているものだと思います。

当店にも置いていますので、是非お試しください。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

「わんこそば焼酎」

そば焼酎・25度・岩手県・岩手川

本格そば焼酎を39.9%使っている甲乙混和焼酎。

飲み口は軽く、香りもソフトで飲みやすい、お土産仕様と言える焼酎。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ