Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第10回「お神酒と焼酎」

新年あけましておめでとうございます。
なぜだか暖かい日が続いていますね。
ぽかぽか陽気でなんだか頭までぽわ~んとしてしまいます。
何にも思いつかないので今回のコラムはやめに…。
いやいやしっかり解説していきますよ。

今回のテーマはお正月ということで、お神酒がテーマです。
焼酎のコラムなのにお神酒?と思う方もいらっしゃるかと思います。
しかしお神酒は日本酒だけではないんです。
南九州の方では焼酎をお神酒とする地域がありますし、なんなら全く違う酒のところもあります。
まずはお神酒とは何かというところから今回は掘り下げていきましょう。

お神酒とは。
お正月だけでなく、結婚や新築のお祝い事のような日本古来の祭事でお供えされるお酒の事を言います。
祭礼の後で神様の力が宿ったそのお酒を戴くというのが習わしです。
その際の酒類については特別な決まりはありません。
どちらかというと神様と同じものを飲食するというところに意義がある為です。
だから地元のお酒ということで焼酎をお神酒とするケースが出てくるのです。

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ではどんな焼酎がお神酒とされているのでしょうか。
鹿児島では芋焼酎をお神酒としているところが少なくありません。
また奄美地方では黒糖焼酎を、沖縄ではやはり泡盛をお神酒としていたりします。
それぞれその名自体を冠した銘柄が存在するほどです。
補足ですが、奄美のものは度数の関係でラムに分類されていますが…。
また焼酎以外でも、変わったところで福岡の太宰府天満宮では梅酒がお神酒とされているそうです。

さて鹿児島以南のお神酒は上記の通りなんですが、ここでふと疑問が…。
同じ九州の他県はどうなんでしょう。
福岡や大分なら麦焼酎、熊本なら米焼酎、ってな感じでも良さそうなもんですが…。
実は鹿児島以外ではもともと日本酒を造っている蔵元さんが意外と多いんです。
だからやっぱり大半で日本酒をお神酒としているようです。
これは本州以北の人にはちょっと意外な結論ですよね。

あとこれは余談ですが、奄美や琉球地方には「ミキ」という名の清涼飲料も存在します。
「飲むライス」とも呼ばれていて、甘酒がもっとどろっとした感じの飲み物です。
原料は米とさつまいもと砂糖で、自然醗酵で作られているものだということです。
お酒の元祖の元祖「口噛みの酒」がその由来とされているようですよ。
自然醗酵ということでしばらく日がたつと酸味が増すそうです。
やはり神事などでも用いられているとのことなので、お神酒と同じ意味合いを持つようですね。

さて今回はお正月らしい話で進めてきましたが、なんだか焼酎からは脱線しがちでしたね。
まあそういうワタクシも日本酒ばかりで寝正月を過ごしてしまいましたが…。
これからは東京オリンピックに向けて海外からの観光客の方々も増えてきますので、
もっと日本のお酒を世界に知ってもらえるよう焼酎についての知識もみんなで磨いていきましょう。
焼酎万歳~!
…ということで今回もおすすめの焼酎を紹介しておきます。。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

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「薩摩快心」

芋焼酎・25度・鹿児島県・濱田酒造
鹿児島県産の黄金千貫を黒麹で仕込んだ、深いコクとキレを味わえる一本です。
限定出荷品ですが、冬はお湯割りでサイコーです。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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