Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第23回「焼酎を選ぶ時のラベルの見方」

まだまだ寒い日が続いていますね。

風邪も流行っているようですが、皆さんは体調管理は万全でしょうか。

冷え込む日などは温かいものを極力取り入れるようにして過ごすのがいいですよ。

食べ物も飲み物もどちらもそうです。

特にアルコールはそれ自体が体を温める効果があるので、この時期こそオススメです。

 

さて今回のテーマは焼酎のラベルについてです。

ワタクシ共の店でもラベルにはいつも注意を払うよう指導しています。

ラベルにある情報は言わば焼酎の顔。

それぞれの個性がそこにすべて凝縮されているのです。

またラベルの変更と共に中身がマイナーチェンジすることもしばしば。

だから焼酎を知る上でとても重要な部分になるわけです。

 

焼酎に限ったことではないですが、ラベルにはたくさんの文字が書かれています。

商品名からその商品の内容などの多岐にわたる情報が網羅されています。

それに関してもいろいろなルールがありますので、この機会に勉強していきましょう。

ご自身で焼酎を購入される際にも役立つ情報ですので。

 

まず焼酎のラベルには基本的に3つの種類があります。

ボトルの上部、ネックと呼ばれる首の部分に貼られているのが「肩ラベル」。

銘柄名や製造年度、独特の製法などの売り言葉を大きく表示してある事が多いです。

ボトル下部の中央にはメインとなる「胴ラベル」が貼られています。

ここがまさに焼酎の顔となる部分で、酒名などが書かれています。

もうひとつが胴ラベルの真裏に貼られる「裏ラベル」です。

最も詳細な情報が書かれることが多いです。

 

上記の各ラベルには大きさやデザインの制約はありません。

ただし文字の大きさには決まり事があります。

細かいことに触れると長くなってしまいますので簡単に解説すると、

「主たる商標を表示したラベル面積の18/1000」以上とされています。

実はもっと細かく規定されているのですが、とにかく文字はある程度大きくないと…ということです。

 

表記内容のルールもあります。

銘柄選びの際にはここが重要になってくるかもしれませんね。

ずっと本コラムでお話ししてきている「乙類焼酎」の表記は以下の4通りです。

・単式蒸留しょうちゅう

・焼酎乙類

・ホワイトリカー②

・本格焼酎

焼酎を探す際にはこの単語に注意したいですね。

 

また冠表示といって○○焼酎という時の○○の部分にも決まりがあります。

使用原料の50%以上をその原料が占める際のみ表記できることになっています。

ただしその比率を提示することが前提となります。

またその原料は以前にこのコラムの中で触れた指定原料に限られています。

 

他に必ず明記しなければならないものとして、以下の事項が挙げられています。

 ・アルコール度数(アラビア数字で)

 ・原材料名(使用割合の大きいものから全て)

 ・製造者名と製造場の住所(楷書体かゴシック体)

 ・容量

 ・未成年や妊婦・ドライバーの飲酒防止事項

結構義務的なものが多く決められているんですね。

 

あとは特記事項として地理的表示というものが認められているものがあります。

麦焼酎の産地「壱岐」や米焼酎の産地「球磨」、芋焼酎の産地「薩摩」などがそれに当たります。

それぞれWTO(世界貿易機関)が認めている原産地呼称となっています。

泡盛の産地「琉球」も同じで、地域と製法が条件を満たして初めて琉球泡盛と名乗れるんです。

これらの表示がついているものは間違いなく本物だと言えるでしょう。

 

他にもまだ特記事項の決まりがあります。

「原酒」は蒸留したての焼酎で、水や他の添加物を一切加えてはいけないルールとなっています。

度数も36度以上のものだけがラベルに表示できることになっています。

「長期貯蔵」は3年以上熟成したものを言います。

内容量の50%以上がそうであればラベルに表示できます。

 

また泡盛に関して「古酒」を表記できるのは3年以上熟成したもののみです。

もともとはかなり曖昧に「古酒」という言葉が使われていました。

それを焼酎ブームの中2004年に3年以上熟成酒が50%以上と定義づけられました。

さらに2015年には厳格化され、100%が3年以上熟成でなければダメと決められています。

現在もこのルールにのっとってラベル付けがされています。

 

今回も少し違う角度から焼酎について解説をしてみました。

お店なんかで焼酎を選ぶ際には是非参考にしてみて下さい。

今までよりも良質なものを買ったり飲んだりできるようになれば幸いです。

 

それでは今回もオススメを紹介しておきましょう。

最近になってラベルを一新した、通に人気の芋焼酎です。

旧ラベルは黒いラベルなので、見つけたらぜひ買っておきましょう(笑)。

そしてこっそりワタクシにも入手経路を教えてください(大笑)。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

「不二才」

芋焼酎・25度・鹿児島県・佐多宗二商店

南薩摩産のさつまいもと麹にタイ米を使った、昔ながらの本格芋焼酎。

骨太な味わいと深みのある芋本来の甘さが、この焼酎を魅力的に仕上げています。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ