Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第38回「焼酎をロックで飲むということ」

みなさん残暑お見舞い申し上げます。

それにしても今年も気温上がりましたね~。

甲子園で熱中症対策が話題にあがるなど、過去には考えられない事です。

「猛暑」って言葉を毎日毎日聞きましたよね。

みなさんは体調管理万全で過ごせたでしょうか?

 

さて今回は焼酎の飲み方について、オン・ザ・ロックを考えていきたいと思います。

以前にお湯割りについて一度話題には取り上げていますが、今回はロックです。

実際のところ、焼酎の本場である南九州では基本お湯割り、全国的には水割りが主流のようです。

意外と言えば意外ですが、確かにクラブやスナックなどでも水割りですよね。

あんまり行かないから、よくは知りませんが。

ロックはどっちかというと焼酎にとっては新しい飲み方であると言えます。

 

それでは早速ロックスタイルで焼酎を飲むということについて考えていきましょう。

前述の通り、ロックというのは焼酎の飲み方のメインではありません。

ですが全くなかった飲み方というわけでもないんです。

事実、宮崎に多く存在する20度という度数の芋焼酎。

あれらはロックで飲むというスタイルが割と早い段階から確立されています。

元々はそういう理屈で生まれた度数ではないんですが、宮崎の知恵とも言えるでしょう。

ロックで飲むことで、風味やコクの繊細な20度をより美味しく味わうことができているということです。

 

そしてロックで最も重要な役割を果たすのが氷です。

氷の良し悪しが味わいを左右すると言っても過言ではありません。

ではどんな氷が適しているのでしょうか?

よく言われるのが、軟水の溶けにくい氷です。

高純度の軟水をできる限りゆっくりと時間をかけて凍らせることで、溶けにくくなります。

また丸い氷もロックには適しています。

液体に触れる表面積を減らし、また一番溶けやすい角の部分をなくすことで、やはり溶けにくくなるのです。

 

また焼酎の蔵元の方がお勧めするロックの作り方がこちら。

1、丸い形のグラスに氷を入れて、マドラーでミキシングする(混ぜる)。

2、グラスの表面が水滴で曇ってきたら、溶けだした水を捨てる。

3、氷の上になるべくゆっくりと焼酎を垂らすように注いでいく。

4、グラスの半分くらいまで注いだところで、マドラーで9回転ミキシングする。

この時に入れる焼酎は貯蔵熟成のかかった焼酎が向いているようです。

 

先程20度の焼酎はロックで旨いとも書きましたが、貯蔵酒もロックが良いということです。

また逆に35度~40度くらいの度数の原酒と呼ばれる焼酎もロックが良いです。

原酒は冷やすことで旨みを増すことが多いと言われています。

それにこのスタイルは氷が溶けだしてからの変化を楽しめるのも魅力です。

なので、原酒は度数が高いところから下がっていく、その味の変化を長く楽しめるということになります。

 

あと焼酎のロックでよく言われるのが、酔いやすいということです。

これは実際の研究でもわかっていることですが、やはり度数の高い酒ほど酔いやすいということです。

日本酒やビールに比べても明らかにアルコールは多く含まれています。

ある種仕方のないことですよね。

しかし、チェイサーを添えて飲むことでこの問題は解消されるそうです。

皆さんも焼酎をロックで飲む際には、チェイサーの併用をお勧めします。

 

またその逆に二日酔いになりにくいという巷の噂もあります。

これも真実だそうです。

焼酎のような強めのお酒をロックで飲むということは、時間をかけて飲むということでもあります。

このゆっくりと飲むということが、二日酔いに効果があるそうです。

これは泡盛に関しても同じで、よく泡盛は二日酔いしやすいと言われますが、実際は焼酎と全く同じです。

泡盛も実は二日酔いになりにくいお酒だということです。

 

ちなみに近年は新しい飲み方として「Rock湯」という飲み方があるそうです。

これは焼酎のロックの上から、氷をめがけてお湯を注ぐという新しいスタイルだということです。

ロックのお湯割り、それを訳して「Rock湯」だそうです。

意味のないやり方のように感じますが、ちゃんと意味があるようです。

アルコール中に溶け込んでいる香味成分は温めることで成分として溶け出してきます。

なのでお湯を注ぐことで、甘みや香りをより一層感じられるようになるそうです。

是非皆さんも試してみて下さい。

 

さて今回も駆け足でざっと焼酎のロックについて語ってきました。

まあワタクシ個人としてはどの焼酎をどんな飲み方で飲もうと、飲む人の自由だと思っています。

だから途中でお話ししたような、この焼酎はロックが向いてるよとかいうのはあくまで一般論です。

ワタクシの店に来ても自由に飲んでほしいものです。

それが焼酎の面白味の1つでもあると思いますので。

 

それでは今回もおすすめの焼酎を一本紹介します。

盆休みに旅をしてきた三重県の焼酎をご紹介したいと思います。

意外と焼酎のラインナップも充実している県ですので、今後も注視しておきたい地域です。

あんまり普段は注目を浴びない場所ですがね…。

皆さんも是非ワタクシの店に寄って飲んでみてほしいです。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

「光年 伊勢志摩限定ボトル」

麦焼酎・25度・三重県・伊勢萬

トウモロコシ原料の甲類焼酎と本格麦焼酎をブレンドした甲乙混和焼酎。

すっきりとした中にもコクが生きている、まろやかさがウリの焼酎に仕上がっています。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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