Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のための焼酎入門

第25回「焼酎をなにかしらで割って飲む楽しみ」

桜が咲いて、新しい生活が始まった人もいらっしゃるでしょうか。

4月になるとなんか心がしゃきっとしますね。

これから1年頑張るんだぞ~というか、なんというか。

改めて桜を眺めて、日本人なんだな~としみじみ思う春の陽気です。

 

さあこんな時節柄、花見に興ずる方もたくさんおられると思います。

今回は焼酎を飲む時の飲み方の話をしていきたいと思います。

以前の回で「ロクヨンのお湯割り」について語りました。

でも焼酎は当然お湯割りだけではないですよね~。

現在ではロックや水割りで飲まれる方が比較的多いようです。

またそれ以外の飲み方もいろいろできるのが焼酎の特長の1つでもあります。

ここからは焼酎のスピリッツとしての側面を見ていきましょう。

 

スピリッツと言えば、ジン・ウォッカ・ラム・テキーラが4大スピリッツとされています。

世界的に有名な蒸留酒の事を指しているんですね。

焼酎もれっきとした蒸留酒の一員です。

焼酎ブームの時には、焼酎を含めた5大スピリッツを認めさせようという話が出たほどです。

だから焼酎は他のスピリッツ同様の飲み方ができると言っても言い過ぎではありません。

ではどんな飲み方があるでしょうか。

 

ジンで代表的なものはジントニックやジンライムなどですよね。

ウォッカも同様の飲み方の他に、ミルク割りやジンジャーエールで割ったモスコミュールがあります。

グレープフルーツジュースで割って、塩をグラスにまぶせばソルティードッグになりますね。

またラムはコーラやパイナップルジュースで割ったりします。

テキーラもオレンジジュースとシロップでテキーラサンライズ~みたいな。

結構カクテルとしていろんな飲み物で割るということがわかりますよね。

 

では改めて焼酎に話を戻して考えてみましょう。

炭酸で割るというのはかなり早い段階から楽しみ方の1つとされてきました。

焼酎ハイボール、略して酎ハイと呼ばれるものがそれです。

もともとは甲類焼酎で作られるのが一般的でしたが、最近では本格焼酎でも作られるようになってきました。

梅干を入れて梅干ハイ、レモンを絞ってレモンハイなんていうのはよく見ますよね。

 

最近では酎ハイはサワーと呼ばれることも多くなりました。

元々は別物なんですが、両者ともに定義が曖昧な為にどちらも同じものとして使われるようになりました。

ただし余談になりますが、ウーロンハイをウーロンサワーと呼ぶことはありません。

そもそもウーロンハイ自体が、酎ハイからハイボールの概念が欠落してしまっている為です。

焼酎のジンジャー割りをジンジャーハイ、コーラ割りをコークハイと呼ぶのも同じ原理です。

 

本線から少し外れてしまいましたが、炭酸を入れない割り方も解説します。

上記の例でいうと、ウーロンハイや緑茶ハイなどがありますよね。

前回お話ししたそば茶割りやそば湯割り、ウコン茶割りやカルピス割りなんかもありますね。

スピリッツの例のように果汁などで割るものはどうでしょう。

正式にどこかで認められているというものではありませんが、皆さん割っているようです。

某レシピ投稿サイトでもオレンジジュース割りやスイカジュース割りが投稿されています。

またワタクシの修行していた焼酎バーでもメニュー化されていたものがありました。

黒糖焼酎のオレンジジュース割りや麦焼酎のグレープフルーツ割りなどです。

泡盛のパイナップルジュース割りも人気のメニューでしたね。

 

このように焼酎は割りもののベースとしてクオリティーが高いものです。

まだまだ可能性を秘めた状態ですが、スピリッツとして考えると未来は明るいですよね。

しかも他のスピリッツにはない25度という絶妙のアルコール。

割りものにした時の度数を考えると、現在の低アルコール時代にはぴったりとも言えます。

 

さて焼酎を割るということに関して、ここまで考察してきました。

これからはワタクシの店でもカクテルベースとしての可能性も探っていきたいと思っています。

単純に果汁だけではなく、今は和のリキュールなども充実しているのでそれと混ぜるのも一興ですよね。

本格的な純和風のカクテルが世間を席巻する日も近いのでは、と予言します!

 

それでは今回もオススメを紹介しておきましょう。

数年前に全国酒類コンクールで1位を取った逸品です。

樽熟成で色のついたウイスキータイプなのに、とても飲みやすい焼酎です。

今回のテーマの割りものにもぴったりな米焼酎ですので、是非お試しください。

 

* 今回のおすすめ焼酎 *

「樽神輿(たるみこし)」

米焼酎・25度・熊本県・福田酒造

5年間樫樽でじっくり熟成させ、アルカリ水と備長炭で仕上げた黄金色の米焼酎です。

なめらかな舌触りと芳醇な香り、ほのかな甘みが絶妙に絡み合った極上の酒です。

 

山口 昌宏
焼酎・梅酒が日本一、GEN & MATERIALを経営。酒全般マニアの元バーテンダー。

株式会社GENコーポレーション社長。
バーテンダーをしている中で、2000年に焼酎と出会いマニアに。
焼酎ブームの火付け役ともされるEN-ICHIで修業後、独立。
現在、東京・渋谷に数店舗を持ち、大阪にプロデュース店有。
昨年、兵庫・高砂に焼酎日本一の店舗「セイエイカン」を開店。

東京 焼酎&梅酒Bar GEN&MATERIAL

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン

和歌山おでんと焼酎専門店セイエイカン インスタグラム

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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