Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

もともと私達は毒と共存してきた!そしてこれからも!「ヨコハマトリエンナーレ2020」のアートトリップは、私達をタフにしてくれる冒険☆10 月11 日まで☆

2001年の初開催から数えて7回目となる芸術祭「ヨコハマトリエンナーレ2020」は、歴史に刻まれることになるでしょう。まずは、新型コロナウイルスパンデミックという前代未聞の禍中で世界の芸術祭に先駆けて敢行したという意味で。また、企画のアイデアは数年前にさかのぼるのに、まるでこの事態を予見していたような内容で、ウイズコロナを生きていく私達に大きなヒントを与えてくれているという意味でも! 

 「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」をタイトルとした今回のトリエンナーレは、世界、古今東西、宇宙へと壮大な冒険に私達を導いてくれます。美しかったり、グロテスクだったり、過激だったり、ドキドキの冒険の中で、「私達はコロナ以前から、あらゆる形態の毒と共存してきたんだ!」ということを実感する場面にも遭遇します。実際に作品に触れることができる場所もありますよ!

横浜美術館とプロット48を中心に展開するトリエンナーレは、丸1日かけてもありあまるほど。体力と想像力を思い切り使って冒険を終えたあなたは、爽快感とともにタフになった自分に出会えるのではないかと思います。カップルのみなさんも多く、このドキドキのアートアトラクションは、デートにもおすすめです♪ 

【横浜美術館内のヨコハマトリエンナーレ】


ニック・ケイヴ 《回転する森》2016(2020年再制作) ©Nick Cave

横浜トリエンナーレ2020で一番写真がたくさんアップされているのが、この作品ではないでしょうか。ニック・ケイヴによる《回転する森》(2016/2020)です。 美術館に入ってすぐに夢中になり、2階から見ても美しい。 でもこの「ガーデン・ウインド・スピナー」、美しいだけではないのです。 きらめく飾りの中には、銃や弾丸なども!

    美しさの中に不安や恐怖、毒もある、そんな私たちが住んでいる世界そのものみたい! でも私たちはこの世界に生きることに惹かれてしまう。この続きは皆さんのストーリーをつないでくださいね。


一緒に写真撮影することで、物語の一部になってみては?


イヴァナ・フランケ《予期せぬ共鳴》 2020 ©Ivana Franke

    ちなみに、横浜美術館の外観がいつもと違いますね。こんな感じですが、工事中ではありませんよ!メッシュカーテンによって包まれている様子が、イヴァナ・フランケの手による《予期せぬ共鳴》(2020)という作品なのです。はためくメッシュカーテン効果で境界線があいまいになった美術館の中には一体何が待ち受けているのか?期待が高まりますね。


ランティアン・シィエ《私が動くと、あなたも動く》2020年 Courtesy of Grey Noise, Dubai

丹下健三による設計のスペクタクルな空間で、現代アート達が未知の世界や価値観を私達に伝えてくれます。


ローザ・バルバ 《地球に身を傾ける》2015

 大画面の迫力映像も多数ある中、このローザ・バルバ《地球に身を傾ける》(2015)は衝撃的。発光する田んぼのようにも見えるこの美しい風景は、なんと北アメリカの放射性廃棄物処理施設。美しいものにこそ毒がある、そして何よりも、人間の存在も地球や他の生態系にとっては毒かもしれないという現実が鮮烈に迫ってきました。


エヴァ・ファブレガス《からみあい》2020

 嬉しいサプライズだったのが、このエヴァ・ファブレガスの《からみあい》(2020)。カップルやファミリー、赤ちゃんまで楽しそうにくつろいでいます。腸のようにも、巨大な細菌が増殖する森にも見えるこの作品。座ってもいいのね!ということで、早速私もトライ。体内に分け入り、そこから誕生する気分になりました。

自分の動きに呼応してくれる、優しい生き物のようでもあり、油断すると消化されてしまうかもしれないという危うさもあるこの作品。フォトジェニックなので、みなさん時間をかけて楽しんでいましたよ。


インゲラ・イルマン 《ジャイアント・ホグウィード》2016(2020年再制作)©Ingela Ihrman

 インゲラ・イルマンの《ジャイアント・ホグウィード》(2016/2020)も、美さに秘めた毒をジャイアントに表現している作品。キレイなので、19世紀に観賞用として世界中に広まったのですが、ほどなく、触って日光を浴びるとかぶれるという毒性が判明。となると、駆除しなければ。。。ということで、共生期間は短かったようですが。。。何事も、位置づけが変わればいつ何時、お互いにとって毒になってもおかしくないという可能性をはらんでいるということでしょうか。

【プロット48のヨコハマトリエンナーレ】

横浜美術館の西口から出て徒歩7分ほどの会場がプロット48。


建物自体が作品のような面白い形をしています。

 こちらの会場では、セクシュアルなテーマを表現した作品がとても多いのが印象的。科学や医療が進歩した現代において、世界中がここまで生と死が肉薄する状況を経験することになることを見抜いていたかのような展示。衝撃的かつ内容が濃かった1作品を挙げると、エレナ・ノックスの《ヴォルカナ・ブレインストーム(ホットラーバ・バージョン)》(2019/2020)。


エレナ・ノックス 《ヴォルカナ・ブレインストーム(ホットラーバ・バージョン)》2019,2020 ©NNNI

「どうすればエビをセクシーな気分にさせられるのか」という課題から濃厚で多岐にわたる考察と作品群が怒涛のように登場します。そのフェティッシュぶりにギョッとする場面もあるのですが。。。

 でも、その問題意識が素晴らしい!太陽光があれば自己完結的に生態系が存続する循環システム「エコスフィア」というものがあるのですが、そこに入れられたエビたちは、理想的な生態系バランスが保たれるその環境なのに、なぜか繁殖しなくなってしまうことを知って始まったプロジェクトなのです。やはり、生存環境にも毒的な存在が多少あった方が種の保存に向けた闘志が刺激されるのでしょうか?

日本に思いを馳せると、衣食住という物質的な面での環境がある意味完璧に整った時点で少子化が始まったとも言えるかもしれないという考えがよぎったり。。。
 エレナ・ノックスの作品内で、エビのためにあらゆる手段を尽くすのですが、なかなか繁殖に結びつかない手ごわさが、一旦少子化に向かった日本で、あの手この手の政策がなかなか功を奏さない状況と重なって見えたりもしました。
 それにしても、「エビをセクシーな気分にさせる」ための試行錯誤が、人間向けのコスプレだったり、ポールダンスだったりするのがご愛敬で面白いです。

 ここまで、主に「毒」にフォーカスしてご紹介してきましたが、実はこの芸術祭、5つのキーワードが投げかけられています。それは、「独学──自らたくましく学ぶ」「発光──学んで得た光を遠くまで投げかける」「友情──光の中で友情を育む」「ケア──互いを慈しむ」「毒──世界に否応なく存在する毒と共存する」です。今回のアーティスティック・ディレクターである、3名のインド人アーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ」からのメッセージです。 

 ぜひ、みなさんもご自身に響くキーワードを見つけて、独自の冒険物語を紡いでみてくださいね。 

【展覧会概要】
「ヨコハマトリエンナーレ2020 AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」

会期:2020年7月17日〜10月11日
会場:横浜美術館、プロット48
開場時間:10:00〜18:00(10月2、3、8、9、10日 〜21:00、11日 〜20:00) 
休場日:木(10月8日は開館)
料金:一般 2000円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円
※横浜美術館への入場は日時指定が必要。
プロット48は横浜美術館と同日に限り自由に入場が可能

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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