Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

もう「ふつう」もなければ「変わってる」もない!思いっきり生きな!と元気づけられる「六本木クロッシング」展

アーティストは、 その鋭敏な感性で受け取った現在の事象を様々なやり方で 作品の中に表しています。 だから、 現代に共に生きるアーティストの最新作には、今私たちが生きている世界は「こんな状況なんだ!」と改めてハッと気づかせてくれるエッセンスがたくさん詰まっています。 そしてそのような作品は、 断片的な日々の報道やニュースがとりこぼしている大切なエッセンスをふんだんに持っていて私たちに伝えてくれるのです。

1940 年代~1990 年代生まれの日本のアーティスト 22 組の作品約 120 点が展示されている「六本木クロッシング」展は、そのような作品の宝庫♪
長引くコロナ 禍により私たちの生活が大きく変化して、以前はあたりまえのように受け入れていた身近な物事や生活環境を見つめ直すようになったことが見事に浮き彫りになっています。そして、共にこの怒涛の時代を生きる隣人たちの存在のなんと多様なことでしょう!!!

「ふつうこうでしょー」とか「変わってるー」とか言われて、「 自分は変なのかな~」としゅんとした経験は 誰しもあるかと思いますが。。。こんなに色とりどりの歴史や人々、未来的なものに囲まれている私たちは、もう「ふつう」なぞに縛られる必要はないじゃないか! そんなふうにメチャメチャ元気づけられたのが、この「六本木クロッシング」展@森美術館です。 冬休みにおすすめ!

全然「ふつう」じゃなくてステキだった 作品をいくつかご紹介します♪

市原えつこ《未来SUSHI》 2022年 食品サンプル、食器、回転コンベア、電子パーツ、人型ロボット、3Dプリント素材、アクリル、木材、ほか サイズ可変

寿司というのは、 こういう魚をこうやってさばいて、すし飯に乗せて食べるもんだ! みたいな常識的な概念を 完全に覆してくれる「未来SUSHI」。
ネタは、 人工肉 だったり、発光していたり、 奇抜な形をしていたり、 美味しいのか美味しくないのかわからないけど、 とにかく寿司 という事みたいです。
未来の寿司ネタ紹介をしてくれるのも人間ではなく、ロボット大将のペッパーくん。
数100年後の未来には、 むしろ、 本物の魚の生肉の方が不気味で「 こんなもの食べてたの?」 と思われるようになっているかもしれません!

横山奈美「Shape of Your Words」シリーズ 2022年

赤く光るネオン管で形作られた「LOVE」がズラリと並ぶのは横山奈美のコーナー。。。と思ったら絵だ!様々な筆跡の「LOVE」は人格を持ったポートレートのよう! 作家の周辺の人々が手書きで書いた「LOVE」の字をネオン管で立体的にして、 それを絵画として描いたとのこと。 ネオン管で立体的にした時点で作品になりそうなものだけど、 さらに絵にするってすごいな。でも絵になったことで、文字が貴族のポートレートのようになり、個性がより際立つ効果があるのかもしれない!
この「LOVE」の字も、筆記体だったりブロック体だったり、 大きかったり小さかったり、 色々だけど、 それぞれが何かを伝えようとしていて愛おしい。「かきかた」の 教科書の 文字をなぞったような「ザ・ふつう」みたいな文字である必要はないんだなぁとつくづく。
「字が汚い!」とよく言われていた筆者にとっては、なんか励まされる展示。
とはいっても、せっかく忘れないようにメモを取ったのに、解体されすぎていて自分でも読めないことがあって解読に長時間かかったりすることがあるのも事実。。。(苦笑)
何かしら伝えたいと思ったら、「ふつう」じゃなくてもいいけど、原型がわかるくらいの形はとどめた方が良いのかも!とちょっと反省(汗)

そして、作家自身がフランスパンを顔に巻いてパン人間となって世界中のおばあさん達にランチを振る舞うという、 一見何が何だかわからない作品もあり!

折元立身「おばあさんのランチ」記録写真

この作品は、自らが認知症の母親を介護してきた作家の折元立身が、 自身の経験をもとに、 さまざまな時代を生き抜いてきた女性たちに敬愛と労いの意を込めて食事を振る舞うパフォーマンスプロジェクトとのこと。

例えば、 ポルトガルの世界遺産都市、エボラにある修道院に500人のおばあちゃん達を招待して、一緒にカボチャのスープ、アヒル肉のチャーハン、地方特産のケーキ、赤ワイン等を食べながら、民謡を合唱したり、踊ったり、楽しい時を共にすごすなど。
一緒に食を摂るという、人間にとって一番大切なコミュニケーションをアートにしているそうです。

自ら異形となった作家も、 認知症になったおばあさん達も、 美味しいランチを目の前に、 最高の笑顔!!!
愛情に満ちた 美味しいランチをいただくのに、気取った常識人である必要は全くないのね~♪

【六本木クロッシング2022展:往来オーライ!】 
会期:2022年12月1日~2023年3月26日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~22:00 (火〜17:00まで、ただし12月6日は〜16:00、1月3日・3月21日は〜22:00) ※12月17日は〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:無休
料金(平日窓口・土日祝オンライン):一般 1800円 / 高校・大学生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円
料金(平日オンライン):一般 1600円 / 高校・大学生 1100円 / 4歳〜中学生 500円 / 65歳以上 1300円
料金(土日祝窓口):一般 2000円 / 高校・大学生 1300円 / 4歳〜中学生 700円 / 65歳以上 1700円

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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