Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

紳士のためのアートデート☆水戸芸術館にて本物の霧が作品に!『霧の抵抗 中谷芙二子』展会期: 2019年1月20日[日]まで

 本物の霧を作って変化自在なその存在をアート作品にしてしまう中谷芙二子さんの展覧会が水戸芸術館にて開催中。霧で創り出す作品は、中谷さんの代表作で「霧の彫刻」と呼ばれています。初めての人工霧による「霧の彫刻」は、なんと1970年の大阪万博ペプシ館にて発表されています。今でこそ、プロジェクションマッピングのように変化したり、人に反応するインタラクティブなアートが広まってきましたが、70年代の日本で、温度や湿度、風向きによって刻一刻と変化する霧を「彫刻」として発表したのは前衛的だったのではないでしょうか。
 環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、世界各地80か所以上で霧の彫刻を制作してきた中谷芙二子さんは、今年2018年に第30回高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門にて受賞しました。その中谷さんの新作は、水戸芸術館にてどのようなサプライズを演出してくれるのでしょうか。

【霧が吹きだす水戸芸術館】
 『霧の抵抗 中谷芙二子』展では、屋外と屋内にそれぞれ「霧の彫刻」が展示されています。磯崎新が設計した水戸芸術館は、外観もユニークでそのものが美術作品。屋外の広場の噴水を舞台に繰り広げられる霧のパフォーマンスは、9時30分~19時の間に毎時00分と30分から約10分間実施されるつくりとなっています。水戸芸術館に到着した瞬間に霧が噴出してきた時には感動しました。


水戸芸術館の広場に広がる霧のパフォーマンス作品《シンコペーション》

   
水戸芸術館のシンボルとも言えるタワーは、登ることもできます。

 【カラスが舞い跳ぶ濃霧に包まれる作品】
 もう1つの作品は、ギャラリー内にて10時~17時30分の間に毎時00分と30分から約6分間鑑賞できるもの。ホワイトキューブに入り、白いスクリーンに向き合って静寂の中に佇んでいると、スクリーンの向こう側から私達に向かって霧が噴出されます。静かに広がる霧が濃くなる中、カラスのシルエットが1羽、2羽と現れます。
 登山経験のある方は、突然霧が降りてきて、温度が急激に下がるあの感覚を思い出すのではないでしょうか。ギャラリー内も若干涼しくなってきます。自然の中にいるのか、人工物の中にいるのか、その境界もあいまいに。

 
屋内霧インスタレーションの《フーガ》。撮影可能なのも嬉しい。

  約6分間の体験から出てくると、髪の毛などがうっすらと濡れています!こんなリアルな体験ができるアート作品は滅多にありません。体に記憶が刻まれます。

【資料や動画などから多面的に中谷氏の活動を知るコーナーも充実】
「資料から見る霧作品の思想と制作プロセス」、「世界4都市をつないだ情報彫刻「ユートピア Q&A1981」」、「オルタナティブ・メディアとしてのビデオ」、「日本最初のビデオ専門ギャラリー「ビデオギャラリー SCAN」」などからは、科学的で独創的な中谷さんの制作活動を知ることができます。「霧の彫刻」で世界的アーティストになった中谷芙二子さんの科学的な脳内と緻密な企画力を垣間見られる興味深い展示です。ビデオを見ながら卵を立てる体験コーナーもありますよ。

 
世界各地で開催された霧のパフォーマンスを映像で見られる部屋。

 それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!

 【展覧会概要】
展覧会名:霧の抵抗 中谷芙二子
欧文表記:Resistance of Fog Fujiko Nakaya
会 期:2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
開館時間:9:30 ~18:00( 入場時間は17:30まで )
会   場:水戸芸術館現代美術ギャラリー、広場
休   館 日:月曜日、年末年始(2018年12月27日(木)~2019年1月3日(木))
     ただし12月24日、1月14日(月・祝)は開館、12月25日、1月15日(火)休館
入 場 料: 一般900 円、団体(20 名以上 )700 円
     高校生以下・70 歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
     ※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です
     ※一年間有効フリーパス → 「年間パス」2,000 円
     学生とシニアための特別割引デー「First Friday」
→ 学生証をお持ちの方と 65 歳~ 69 歳の方は、毎月第一金曜日 (12 月 7 日、1 月 4 日 )100 円

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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