Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

Vol.9原美術館の篠山紀信展「快楽の館」                   開催期間:2017年1月9日(月・祝)まで

 品川駅から御殿山の小高い丘を登っていくと現れる気品あるオフホワイトの建物が原美術館。原美術館は、もともと実業家・原邦造氏の個人邸宅として1938年に建てられたもので、東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)と並ぶ歴史的建造物です。1979年に、現館長の原俊夫氏が私邸を開放し、当時日本では珍しかった現代美術専門の美術館としました。その邸宅が、4か月間だけ「快楽の館」と化します。そして2度と再現されません。「快楽の館へ行こう!」とデートに誘ってみませんか?

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原美術館外観

展覧会概要❖

 「快楽の館」は、原美術館館長の原俊夫氏が美術館の案内をしていた際、篠山紀信氏が「全作全て当館で撮り下ろし」「撮った場所に展示する」と発案したところから始まりました。
 篠山氏によると「僕はとても建物自体の色気を感じたんですよ。いい建築は色っぽい」。篠山氏のインスピレーションの源は、この邸宅だったのですね。「ホワイトキューブが並んでいる美術館とは違って、一個一個の壁、窓に歴史とドラマがあるんです……空間からドラマが生まれてくる。そういう空気感を感じることでイメージが沸くんです」(本展図録の篠山氏の言葉より)。
そして、33名にものぼるモデルを起用したヌード写真、しかも全て原美術館での撮り下ろしというプロジェクトが実現したのです。
 

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夜の原美術館が妖艶。 ※オープニングレセプション時のみの特別ライトアップです。

【快楽の館】

 「『快楽の館』というのは、フランスの現代小説家アラン・ロブ=グリエの小説から借用しているわけですが、現代の意味は「ランデブーの館」。つまり「出逢いの館」。ここにいろいろな人がやってきて、「ドラマ」が起こる。事件が起こる。」と篠山紀信氏。まだ付き合っていないけ ど一歩踏み込んだデート、マンネリ化した夫婦や付き合って少し経つカップルへの刺激に『快楽の館』はもってこいではありませんか! 

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篠山紀信「快楽の館」2016年 ©Kishin Shinoyama 2016

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篠山紀信「快楽の館」2016年 ©Kishin Shinoyama 2016

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篠山紀信「快楽の館」2016年 ©Kishin Shinoyama 2016

 壇蜜氏のヌードもひときわ妖艶です。篠山氏は「コケの中を白い蛇が動いている感じ」と評しました。壇蜜氏は、記者会見で快楽とは?と聞かれ「『見せてはいけないもの』だと思います。この撮影をきっかけに、快楽とは何かをより深く考えるようになりました」と回答。コケの湿り具合や太陽の照り具合を意識して「とどめを刺す」つもりで臨んだとのこと。

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記者会見での篠山氏と壇蜜氏

【原美術館常設の現代アート作品とヌードのコラボレーション】

 原美術館の、かつて浴室や洗面所などであったスペースは、現代アートと建物が一体になったユニークな常設展示作品となっています。『快楽の館』は、なんとこの現代アートスペースにもヌードが登場。森村泰昌氏、宮島達男氏など現代を代表するアーティスト達の作品に篠山氏のヌードが重なるという、ここでしかできない企画が実現しています。

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篠山紀信「快楽の館」2016年 ©Kishin Shinoyama 2016(宮島達男の常設展示作品と)

 「常設の作家は本当は嫌だったのでは?」と篠山氏。いえいえ!密かに「見てみたい」と望まれていたコラボレーションではないでしょうか!
  「建物自体が「エロい」。カフェだったり、庭だったり、とにかく雰囲気がいい。気持ちよくさせてくれる、いい空間」と篠山氏絶賛の邸宅。夢のように現れ、4か月間でフッと消えてしまう『快楽の館』に、スペシャルな方と訪れてみてください。

 それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!

【展覧会開催概要】
会期:2016年9月3日(土)~2017年1月9日(月・祝)
会場:東京都 品川 原美術館
時間:11:00~17:00(11月23日を除く水曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(9月19日、10月10日、1月9日は開館)、9月20日、10月11日、12月26日~1月4日
料金:一般1,100円 大高生700円

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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